寂しさって何だ!?

また同じ失敗をした。何度も何度も同じ日常を繰り返す映画の様な失敗。だが今回のだけはキツかった。

今現在、僕のことを信頼して大事に思っていてくれる先生とその仲間達に怒りに任せた強制を繰り返す言葉を吐き、1番信頼してとても大事に育ててくれた先生に牙を向いた。僕は自分が常に正しいと思っている。その選択のタイミングと言葉と暴力の発射速度だけで生きてきたのだ。

僕はたぶん寂しいという感情を知らない。だから怖いものもあまり無い。

欲しいモノが買えなくても。大切な人と2度と会えない別れをしても。いい大人になってお金が財布の中に230円になっても感じたことは無かった。

嫌ぁーな気分は感じていた。その感情が沸き上がる度に怒りに変えてしまえばOKだったから。

もう一回チャレンジする!絶対見返す!俺の人生だ!負けてたまるか!死んでたまるか!どんな手を使ってでも生き延びてやると。

全ての言葉の先頭には『俺が…』をつけて生きてきた。社会のルールや常識を守っていたら生きていけない状況だった。そうやってリセットを繰り返して今まで生きている。

とても人には話せない過去と生き方をしている。

それで良いと思っているし、それが僕にできる当時は最善の道だったとも思う。後悔はしていない。

ところが今回の件だけはイヤな気持ちが取れなくてずっと立ち尽くし考えこんだ。生まれてはじめて自分と他人のコトをこんなに長いこと考えたのかもしれない。

過去を振り返ってみると、僕の人生を変えてくれようとしている人が沢山いたが、耳を塞ぐのが精一杯で聞きたくなかった。素晴らしい世界の片鱗を沢山魅せてくれようとしてくれる人も沢山いたのに目を瞑ることが精一杯で一瞬もみたくなかった。想像以上に沢山いたことに気づいてしまった…。そしていつもなら怒りのエンジンをぶん回して忘れることができるのだが、今回は背筋が凍るような冷たさと恐怖を感じた。

僕は僕自身が怖くなってしまった。この狂った考え方と生き様に今まで感じたことのない恐怖を感じた。失いたくない人が沢山いるのに失くそうと思えばいつでも壊せる自分がとても怖くなってしまった。

そして初めて感じた『寂しさ』という感情。

過去の亡霊が僕の怒りと情熱の原動力で人生を生きてきたこと。それだけしか頼れるものがなかった。未来への妄想は夢物語で現実では起こりえないことばかり考えて現状から逃げるための安定剤だった。

嗚呼、こういうことなんだ。寂しいって…。

俺って相当、淋しい奴だな。ずっと寂しかっただけだったんだ…。

ずいぶんと肩の荷が降りた気がする。

2019年 11月11日。



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