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佳野
2022年5月7日 17:46
これが優しいおとぎ話だったなら、ハッピーエンドが決まっているような物語なら。…なんて。そんな不毛な想像をしてやめた。僕を信じると言った彼女の声は少しの痛みと優しさが混ざって、重ねた唇の冷たさがハッピーエンドなんて存在するわけがないと現実を突き付けている。数回触れた唇がそっと離れる。「キスって甘いんだね。」そう言って少し目を伏せるようにしてはにかむ彼女はさっきまでの涙を忘れてし