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社会人大学生と「学生券」

社会人大学生になってお得に感じているのが、学生割引である。

在籍するのが通信制大学であっても、学生割引は適用される。だから、映画館やコンサート、講演会などで「学生」「学生券」があれば、それを利用できる。


ところが、まれに「社会人学生除く」「25歳以下のみ」といった記載がある場合がある。これは、どういうことなのか。

まず、「社会人学生除く」とは何か。なんとなく意味合いとしては、適用されるのは「現役もしくは1~2年浪人して通学制大学に通っている大学生」なような気はする。このあたりは、そもそも「社会人」の示すものがふわっとしているので、難しい。(「大学生」の部分は、「専門学校生」や「短大生」と読み替えても良い)

だから、「フルタイムで働きながら通信制大学で学ぶ大学生」はもちろんだが、「高卒後就職して数年働いた後に仕事を辞めて入学した大学生」や「高卒後現役で通信制大学に入学し、パートタイムで働きながら卒業を目指す大学生」はちょっとグレーになってくる。


また、「25歳以下のみ」はもっと奇妙に感じる。適用されるのはおそらく「現役もしくは1~2年浪人して通学制大学に通っている大学生」である点では、先ほどと同じだろう。

だから、「25歳以下の大学に通っていない人」は適用にはならない。


そもそも、「学生券」はなぜ存在するのだろうか。

一つには、経済的に十分に自立していないことを踏まえ、安価にするということがあるだろう。もちろん、学費を払っているということもある。

また、高等教育で学んでいるということで、その学びを応援するという意味合いもあるだろう。将来性といってもいい。音大生がコンサートに通い、美大生が展覧会に通い、法学部生が法律の講演会に参加する、といったことを応援する。そして将来的には業界の活性化や表現者、顧客としての参加を期待するというものである。


そう考えると、「高卒後就職して数年働いた後に仕事を辞めて入学した大学生」や「高卒後現役で通信制大学に入学し、パートタイムで働きながら卒業を目指す大学生」は、経済的にも、将来性といった点でも、適用されて良いのではないか。

また、「25歳以下の大学に通っていない人」も、きっと経済的にも将来性という点でも、大きくは違わないのではないだろうか。大学に通っていない背景には、経済的な理由があることもあるかもしれない。また、将来性という点では変わらないのではないか。一つのコンサートや展覧会、講演会から受ける影響は大きいのではないか。


さらには、「フルタイムで働きながら通信制大学で学ぶ大学生」も該当するのではないか。

彼らは、少なくない金額を学業に投資している。学費はもちろん、それ以外の書籍や講演会なども積極的に利用している。また一方で、仕事をある程度セーブしたり、調整して働いている人も多い。従って、経済的に決して余裕があるわけではない学生も多い。そもそも、「社会人」というあいまいな表現が示すものは、必ずしも十分に収入に恵まれている人を指さないだろう。

また、彼らの将来性もまた期待できるのではないか。学ぶことに遅いことはない。学んでいる間も、大学を卒業した後も、学びが活かされていくはずである。


だから、「学生券」は、その立場がフルタイムやパートタイムで働いているとか、年齢がいくつかに関わらず、適用されるべきだと思う。

また、「学生券(25歳以下)」という中途半端なカテゴリーを設けるくらいなら、いっそのこと「25歳以下」にすればよいと思う。これなら、若年層に向けての支援だとわかるし、実際にそのような「ユース割」のようなものを設けている催しもある。

特に「学生券(25歳以下)」という表現は、年を重ねて学ぶ人達に対しても、学生という選択肢を選ばない(選べない)若者に対しても、ちょっと失礼に思える。


体感としては、多くのサービスが、働き方や年齢の関係なく「学生割引」を利用できる。だが、一部で、働き方による制限や年齢の制限があるのである。

実際には、働き方について確認されることはないし、年齢を確認することもまずないであろう。だが、グレーな場合には居心地が良くないし、わざわざそうやって排除されるのは気持ちが良いものではない。


だから提案としては以下の通りである。

1 「学生券」は基本的に働き方や年齢に関係なく適用とする。
2 「社会人除く」「25歳以下」という規制は設けない。
3 年齢による割引は「ユース割」のようなものとして、学籍や働き方の規制は設けない。


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