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僕がお酒を飲まない理由

僕はあまりお酒を飲まない。

家ではまず飲まないし、飲食店はもちろん、バーのようなところに行っても、なるべくならノンアルコールで済ませたいと思っている。


理由の一つが、薬を飲めなくなることだ。

お酒を飲むと、就寝前に飲む薬を飲めなくなる。うつ病の薬は翌朝に飲んだっていいし、一日くらい飲まなくても問題ない。

しかし、アレルギーの薬や痛み止めとなると、飲めないのは辛い。だから、それらの症状が出ていたり、出る可能性があるときには、お酒は飲みたくない。


また、お酒を飲むと、いくらか思考がにぶったり、身体機能が十分には働かなくなることがある。

会話をするにも、歩くのにも、ちょっとした段差を乗り越えるにも、ほんのちょっとの機能不全が、もどかしく感じることがある。

人によっては、お酒を飲んだ方が会話がはずむということもあると思う。でも、僕はお酒がなくても十分におしゃべりだから、むしろお酒によって思考がにぶる方が不快に感じることがある。

また、ただでさえ運動不足で、心身ともに快調なときが少ないのだから、そこでわざわざコンディションを落としたくない。アルコールによって調子が良くなることもあるが、わるくなる可能性もある。

生きているうちは、なるべくコンディションは整えておきたい。だから、なるべくならお酒を飲みたくない。


あとは、「もしかしたら車を運転しなければならない」という恐怖があるからかもしれない。

今、僕は車を持っていないし、なるべくなら一生車を運転することがないことを目指している。

しかし、15年以上車を運転してきて、車を運転できないということの恐怖が染み付いてしまっているようだ。


学生時代は、車で大学に通っていたので、車を運転できないということは、家に帰れないということを意味していた。

誰かの家に泊まるにも、車内泊するにも、面倒なことが多い。運転さえできれば、帰るという選択肢が残されるのだ。

大人になってからは、もし何かあったら……その「もし」の内容は漠然としているけれども、車を運転することができないということの不自由を考えていた。

実際には教員という仕事は飲み会が多かったし、大体が二次会、三次会と最後まで残ることが多かったから、随分とお酒は飲んでいた。その都度代行を頼んでいた。

だからなのか、それでもなのかはわからないが、なるべくならお酒は控えておきたかった。


あとは、ちょっと依存が怖いというところもある。

人に頼ることが苦手な一方で、人や物事に対する不満を抱えやすい性質を考えれば、お酒を常用することにはリスクがあると思っていた。

それに、教員という仕事とアルコール依存症とは縁が深い。アルコールの身体的、社会的な問題を考えれば、距離を置こうとするのは当然だと思う。


一方で、自分はお酒を飲んでも、それほど影響を受けないタイプではある。よっぽど飲まない限りは、自覚できるほどの症状は出ない。

人生で潰れたのは一回だけ。同僚とスナックに行き、お店のお姉さんと一緒に日本酒を二本くらい空けたところから記憶がない。気がつけば店のトイレ。迎えに来た同僚の彼女の車に嘔吐したことは覚えている。

基本的には、ある程度アルコールを処理する機能を持っており、同時に飲み方をコントロールすることもできる。体調に合わせて、飲むペースを落とすこともできる。

だから、飲みたいと思ったときには、飲むという選択肢を取ることもできる。特に、今の暮らしでは、体調に問題がなければ、多少飲んでもまず支障がない。


お酒を「おいしい」と思うことがないわけではない。日本酒やカクテルを味わうことも、時にはある。昔飲んだ泡盛の味を忘れられなかったり、料理に合わせたお酒の味に感動したこともある。

でも、大部分のお酒にはそこまでの感動はない。そうなると、飲みたいモチベーションにはつながらないのである。


中でもビールはそれほど好まないのだが、最近ノンアルコールビールを飲む機会があった。アルコールが入っていないという気軽さもあるからか、味に集中できたこともあり、とてもおいしく感じた。

ということで、コンビニでノンアルコールビールを4種類ほど買ってきた。お腹の調子があまり良くないのだが、他の乳酸菌飲料と一緒に、栄養素を補う手段の一つとして選んだ。ビールは今や、健康飲料としての側面があることも知られている。

僕は何も酒を嫌っているわけではない。アルコールを避けているだけなのだ。



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