地域の子どもを守りたいという声
「子ども」、「児童相談所」、のキーワードが並ぶと、ネガティブな感じを受ける人が多いかもしれません。
それだけ悲しくなるニュースが多いということでしょうか。目にするたびに、心が痛みます。
一方で、それと同じくらいか、それ以上に、そんなイメージがあることに悲しくなります。
ある地域の会合で、主任児童委員さんのお話を聞く機会がありました。
「主任児童委員」は、地域の子どもたちが元気に安心して暮らせるように、子どもたちの見守りや、保護者が抱く子育てに対する不安や妊娠中の心配ごとなどの相談・支援等に携わっている方々です。厚生労働大臣からの委嘱を受けて、活動されています。
その主任児童委員さんは、こう話してくださいました。
「皆さんもご存じの通り、子どもが犠牲になる痛ましいニュースが連日報道されています。学校や児童相談所や行政に対して、不信感を持たれている人も多いかもしれません。
でも、児悲しいニュースに出ている以上の、何倍もの子どもたちが救われている事実もあると知ってほしい。児童相談所や、地域で、そのために動いている人がいます。
家庭で困ったことや、周りで気になることがあったら、どんな小さなことでもいいので連絡してください。匿名で大丈夫です。通報を受けて、何もなかったら何もなくてもいいので。そんな地域を一緒に作りましょう。」
地域柄や、人柄による部分も、大きいかもしれません。最後の望みを持って連絡したのに、残念な対応をされる可能性もゼロではないと思います。
だから難しいのも分かるつもりです。
心療内科やカウンセラーに悩みを相談するハードルの高さも、似たものがあると思います。僕も以前心療内科に通院したことがありますが、最初の電話はものすごく勇気がいることでした。電話しようとし携帯を握りしめ、何度もためらった感覚は今でも覚えています。
地域の中には、そんな難しさに立ち向かって、一歩踏み込んでくれる人たちがいらっしゃいます。
気になる事情を持つ子どもの情報をキャッチしたら、拒まれながらも何度も何度も家庭に通って、保護者との接点をつくり、支援にこぎつけた事例もあります。
家でしっかりとした食事を食べることができない子どもに、地域の人が交代で晩ご飯を届けたというのも、遠い世界の話ではありません。
根気よく粘ってつながりを作れたおかげで、仕事で忙しくしている親の代わりに子どもと一緒に夏祭りに参加できたという話も聞きました。その子が、一緒に行きたいと言ってくれたそうです。その一言が嬉しかったと、笑顔で語ってくださいました。
児童相談所の職員や、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーの方々からも話を聞くことがありますが、皆さんとても真剣に子どものことに向き合ってくださっています。
こんな話題は、守られるべき情報もあるので、あまり外には出てきません。
知ってるのに出してないという見方をすれば、僕も何もやってないのと同じですが。。。
特にもどかしさや、自分の力不足を感じるのが、僕自身が相談を受けた時。
ここ数年、子どもに関する相談を受けることが増えています。
親子関係、学校とのかかわり方、近くにちょっと気になる子どもがいる、など。まずは話を聴かせてもらうようにしていますが、直接その子に接することはほとんどありません。
そんな時、話を聴かせてもらったあとに、「えがお館」を紹介することが多いです。えがお館は、福岡市こども総合相談センターの通称。子どもや保護者を対象に、総合的・専門的な相談・支援を行っています。
子どものことを専門的に、そして多くの事例を扱っている機関なので、子どもにとっても、保護者や周りの大人にとってもプラスになることが多いと思います。
友人から、障害の程度によってもとても親身に相談に乗ってくださるし、親子に必要な支援を考えて受けられる制度を教えてくたり、必要な場所へも繋げてくれるよという話も聞きました。
でも、残念ながら、ハードルは高いようです。
ここ数年で10件くらいは「えがお館」のことを紹介させてもらいましたが、あまりいい反応はありませんでした。おそらく、実際に相談されたのは、1件か2件あるかないかくらいだと思います。
僕の伝え方の至らなさや、『吉村さんが言うなら』と感じてもらえるだけの影響力がないのも要因です。だからと言って、諦めてはいけないなという気持ちもあります。
残念なニュースを上回る、明るい事例を届けていきたいです。
長い記事をここまで読んでくださって、ありがとうございます。
ここに書いても、子どものことで悩んでいる本人に届くことは少ないかもしれません。
もしかすると、本人に届くよりも、読んでくださったあなたが相談を受ける日の方が、早く訪れるかもしれません。
そんな時に、思い出してもらえたら嬉しいです。
その日のために、よかったら「えがお館」のサイトも見てみてください。相談するための一歩を踏み出しやすいようにと、クラウドファンディングで資金を募り、アイデアを出し合ってデザインを考えられたサイトです。
子育て中の悩みや、「もしかして虐待かも?」と気になった時の、全国共通の相談ダイヤルもあります。『189(いちはやく)』と覚えておいてください。
- 2019年2月の投稿を再編集して掲載しました -
※ヘッダー画像は、poko pocketさんによるイラストACからのイラストです
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