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影との戦い ゲド戦記1

前々から気になっていた作品。地域にある図書室から借りて読みました。

若き魔法使いが、自分の傲慢さのせいで呼び出してしまった「影」と戦う物語。
豊かな才能を持って生まれても、誘惑や妬みに負けて力の使い方を誤ると身の破滅につながる。挫折を経験し、それを乗り越えて心の強さを身につけていく。真の名を知ることで、物事の真実に迫ることができる。「影」におびえている時には、どこにいても不安を感じて逃げ続ける生き方になるけど、向き合うことを決めたら立場は逆転する。

ファンタジーだけど、単なる空想だけでなく、僕たちの心の世界を表しているようです。やさしさや強さのような、光の部分だけがすべてではありません。誰の心の中にもネガティブな部分があります。そこから逃げず、否定せず、どう付き合っていくかに目を向ける。それが、人の深みや成長をもたらしてくれる。主人公の冒険に寄り添い、主人公を応援しながら、自分の「心」を感じられる物語でした。
あとがきにも心理学者ユングの名が出てきて、「影」は人の心の内にある負の部分であるという解釈について語られています。日本の心理学者、河合隼雄先生の著書でも紹介されている作品です。

全部で6冊あるので、引き続き読みたいと思います。

読書のきろく 2020年25冊目
「影との戦い - ゲド戦記1」
#ル・グウィン
#清水真砂子
#岩波少年文庫


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