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絵のない絵本

タイトルが気になって読んでみました。
アンデルセンは、裸の王様、人魚姫、みにくいアヒルの子、マッチ売りの少女、などの作品を生み出した童話作家。

この作品は、童話の作品集みたいな雰囲気。
月が、絵描きに、世界各地の様子を語って聞かせるスタイルで描かれています。月の目線なので、街角や部屋の中に、光をすべり込ませて見ています。距離も時間の流れも飛び越えて、町の様子、そこに住む人々の営み、木々や花の雰囲気、鳥のさえずりなどを。
僕たちが月の光を感じる時、月から見たらこんな風に見えてるんだなと想像が膨らみます。

人間が持つ、人それぞれの「ものの見方」が月にはないので、そこにあるものを光でただ映し出す。だから、それが絵となって、読者の中に入ってきます。

月が見た、ひとつひとつのシーンを毎晩語ってくれる。親に読んでもらう絵本のように、おやすみ前の少しの時間に。それが全部で33夜。小さな童話集のような作品です。

読書のきろく 2020年21冊目
「絵のない絵本」
#アンデルセン
#矢崎源九郎
#新潮文庫


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