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ヘンテコノミクス【読書のきろく】

noteで見かけて、気になって、読みました。

まんがと解説文で、人の「非合理」な経済行動が解説されています。

数値としての価格や、純粋な品質だけでなく、身の回りの出来事や周囲の比較対象となるものに僕たちの心が反応し、その影響を大きく受けながら行動しています。表現を変えると、知らず知らずのうちに行動させられています。

・報酬がやる気を起こしたり、逆にやる気をなくしたりする?

・たとえば同じ100円の違いでも、ランチの値段なら気になるのに、マンションの値段だったら気にならない?

・同じ情報でも、伝える順番の違いで印象が変わる?

・たまたま起きた出来事に、関連性を感じて思い込みが生まれる?

・秘伝のタレを使うとおいしくなる?

描かれている事例は、ほほえましい「あるあるネタ」であり、悪く言えば「ダマされている」仕組み。

そんな行動が、日常にたくさんあることに気づかせてくれる一冊です。お客様側になるのか、提供する側になるのかで、それぞれの理論の印象は変わりますが、知っておくことで冷静になることができます。

人の心の働きが分かるので、個人的にとてもおもしろかったです。

悪用もできるけど、できれば問題を解決したり、誰かを元気づけるために使いたい。行動経済学者も、この本の著者さんたちも、きっとそう思っているはず。そんな一文もありました。

 行動経済学者リチャード・セイラーは、行動経済学によって得られた知見は、普段の生活の中で、非合理的な行動を起こしそうな時に、私たちをそっとナッジ(nudge:注意をひくために、人を肘でそっと小突いて知らせる)するためのものになっていくべきだという考え方を示しています。
 今後、行動経済学は、研究がさらに進むことによって、お金儲けのノウハウだけでなく、ストレスや不正、非合理的な損といった、私たちの心が生み出していた見えない問題を解決し、より良い社会を作るために活用されていくと思われます。
>ヘンテコノミクス|佐藤雅彦・菅俊一・高橋秀明 著(マガジンハウス) p.151より

たくさんの分析や研究の結果、解き明かされた心と行動の仕組み。

本の中でも言われているように、より良い社会を作るために活用してきたいですね。

※アマゾンの商品ページで、第1話の「アンダーマイニング効果」についてのマンガを読むことができます。

読書のきろく 2020年52冊目
「行動経済学まんが ヘンテコノミクス」
#佐藤雅彦
#菅俊一
#高橋秀明
#マガジンハウス


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