見出し画像

東京の夜の状況



なかなか辿り着けない桜丘。桜が咲かない季節に桜の歌を聞いて、気持ちだけが散っていく事に酔っている20歳の夜のこと。

渋谷の街を通り抜けて、無駄に横断歩道を渡ってはキョロキョロしてるもんだから空車のタクシー運転手さんと目が合う。乗らなくてすみません、乗りません、というか近すぎて乗れない。夕食は済ませたし、ファッションビルは開いてないもんで、こちら目的地まで数百メートルの場所でうろうろしているだけなんです、、、。相手に都合を合わせてひたすら時間調整をしなくてはならないあの時間って本当に中途半端だよなあ。そうだよなあ?挙句に人生の数分を知らない公園の冷たい椅子で過ごすことになった。


確かあの頃は、いつか上京をしたいと思っていた。だけど今では状況も違うし、よくわからない。ほんの数キロの選択だけで人生が変わってしまうんだから、大阪と東京もすごい距離に感じるじゃない。

憧れを持った10代と、知ることを知った20歳と、選択が苦手になった22歳

5月に23歳を迎えようとしているところで今度は何に囚われていくのだろうか?

あの時は無駄だと感じていた公園での時間も、すっかり思い出になってしまったし今後どんな選択であれきっと抱き締めていける。


大阪-東京間を事務所の車で移動する事も残り数えられるほどになってきたし、"最後"が付きまとう日々はやはり少し寂しい。しかし、とてつもなく愛おしい。

早くも3月に突入し、間もなく桜が咲く季節

春間近


お気持ちのサポートを好きに活用してもらえたら嬉しいです。