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米国発前川のニュースレター

いつも私のニュースレターを読んで頂き有難うございます。
今日の写真は先日、地元に戻った折に姫路駅から撮ったお城の全景です。
400年以上前(1609年)に現在の姿が出上がったとは、日本の建築技術に驚きです。

姫路城夜景

さて、本日1月22日のニュースレターをお送りいたします。

【株式・為替市場の動き】
今日はダウ工業株30種平均が続伸して、先週末より138.01ドル値を上げ、過去最高値の38,001.81ドルになりました。
S &P500,ナスダックも上昇しています。先週は3月の利下げ確率が下がったことを嫌気して株価が下がりましたが、今日は市場がIT関連、半導体関連などの増収見通しから買われています。為替は先週より若干円高の148円前後で取引されています。先週よりも米国債の利回りが下がったことがその理由ですね。
先週はFRBの利下げ時期と日銀の利上げ時期が遅れるとの観測があって、株価の下落と円安に振れましたが、今週はそれも落ち着いてきたようです。先のCPIや雇用統計の細かい分析によって、インフレ再燃の懸念が下がったことも影響しています。国債の利回りが下がったことにより、ドルが弱く、ゴールドが高くなっています。
 
【不動産・住宅ローン金利動向】
先週と比べて、長期金利の指標となっている米10年国債の利回りが若干低下してきましたので、住宅ローン金利も若干ではありますが、下落しています。30年固定では6%半ばになっていますので、昨年の8%前後の金利と比べると約1.5%の下落です。今年は引き続きのウクライナ紛争、イスラエル・ハマス戦争、中東の紛争リスク、中国経済景気後退懸念などがある為、金利も株価も大きく変動しそうです。不動産価格に関しても今年は上がって行くとの予想と、不動産市場は大きく下落すると予想する人と専門家の意見が分かれています。しかし、今年、FRBが利下げをすることは市場は織り込み、エコノミスト、投資会社なども共通の認識となっています。ただ利下げの回数とその時期が未だに分かりにくいですね。このままFRBが政策金利を金利高止まりさせると、景気後退入りして株価が下落、景気後退の度合いによっては不動産価格の大きな下落につながる可能性も大いにあります。利下げ期待が株価を引き上げ、利下げ時期が遅れると株価が落ちます。
FRBが政府の意向に拘わらず、物価の安定と雇用の最大化を目指すのであれば、3月には利下げが始まるのではと思います。それによって住宅ローン金利ももう一段下がってくれることを期待しています。  
 
【経済の動き】
先週アトランタ連銀のボスティック総裁が利下げに慎重な発言をしたことにより米国債の利回りが4%を超えましたが、景気後退が近く起こると警告をする専門家の発言や統計が出てきているのも事実です。
以下は、幾つかの景気後退のサインと思われるニュースです。 

  1.  昨年12月に中小企業で支給されたボーナスの額が前年比で21%減少したことが、給与計算ソフト会社ガストのデータから明らかになりました。

  2.  レンタカー大手のハーツがテスラ製など2万台のEV車を手放し、ガソリン車に切り替えた。修理コストの高さとレンタカーとしての人気低迷がその理由となっています。 一般市場でもEV車購入意欲が低下、中古EV市場価格も下がっている。2022年から2023年10月にかけて中古車市場全体では5.1%の値下がり、中古EV市場は33.7%の下落となっています。

  3.  伝統的な自動車メーカーはここ数カ月でEV生産計画を縮小する一方で、バイデン政権に対してEVを普及させるための厳しい要求を緩和するように要請しています。

  4.  低所得世帯の間で、滞納初期の段階に入った自動車とクレジットカードのローン件数が2022年から増え始め、現在はパンデミック前よりも増えています。コロナによる支援と、債務減免措置が無くなった今、低所得層が厳しい状況になっています。この低所得層の経済情勢悪化意識が今年の大統領選挙におけるトランプ支持拡大となって表れていると思われます。

  5. 有名なエコノミストであるジェーソン・カミンズ氏は、米国の労働市場は既に急激に減速しており、金融政策は極めて景気抑制的な状態にあると述べています。注意深く労働市場を見ると雇用は既に止まっており、労働参加率が大幅に低下していなければ、現在の失業率は4%になっているとも言っています。要は、労働参加率が大幅に低下したとは働くのを止めた、求職活動を止めた人が増えたので、失業率には算入されていないという事になります。実質の失業率が上がり始めていると言いたのですね。
    先週話しました、フルタイムが減り、景況感が低下していることからも、上記のニュースは納得できます。
     
    しかし、悪い話ばかりでもないんです。中西部では半導体関連、ハイテク関連の新規工場建設が増えており、金融センターとしてのダラスの好況など場所によっては景気の先行きが明るい街も多く、都会からの人口流入で景気が上向いてきている地方都市もあります。例えば、Las Vegasにはハリウッドから映画関係者の億万長や、シリコンバレーのお金持ちが多く移住し始めています。州税がない事や将来性を見据えいるのでしょう。映画スタジオをハリウッドではなく、Las Vegasに作る動きもあります。また、Los AngelesのUnion StationからLas Vegasまでの高速鉄道建設が始まろうとしています。総額$12ビリオンのプロジェクトとなっており、バイデン政権から$3ビリオンの予算が計上されています。Union Construction Companyは鉄道線路敷設の為に1万1千人の新規労働者の雇用を発表しました。2028年のLos Angeles オリンピックまでに完成させようとしています。駅の建設は地域の経済発展に大きく関わって来るでしょうし、不動産価格にも大きな影響を及ぼすでしょう。
     
    【今週の???な国際ニュース】
    米、英がイエメンのフーシー派への爆撃を続けていることも世界経済を不安定化させています。西側のニュースでは軍事拠点だけを空爆していると言われていますが、実際は英米軍はイエメンの人口密集地へも爆撃をしており、正当性を認めない他国のNATO軍は参加していません。  今のところロシア、中国、イランは静かにしていますが、イスラエルと米・英の動きは世界の安定を壊すことになっている様に思います。   ウクライナ紛争でロシアからのパイプラインによるEU諸国への天然ガス供給が途絶えてから、米国の天然ガスがテキサス州ヒューストン港からの供給が増えています。アジア諸国への供給はスエズ運河が通れないと、アフリカ大陸最南端の喜望峰周りとなります。このまま中東紛争が激化すれば、アラブ諸国からのアジア向け原油の輸送が止まる可能性がありますので、米国発の原油、天然ガスの供給がもっと増えます。ご存知の様に世界一の原油、天然ガス産油国は米国です。そうなれば、米国は儲かりますが、アジアの資源輸入国の原油、天然ガス価格は輸送距離が延びることにより上昇しインフレ懸念が高まります。事前に手を打っている中国やインドはロシアからの供給が受けられますが、日本はロシアからの供給を受けられません。米国から高い原油と天然ガスを買わされるのを待つだけなのでしょうか? 国会議員のパーティー券の問題よりも、この問題の方がよほど大事だと思うのですが。
     
    海外資金の流出が顕著な中国はもうバブル崩壊しているのでしょうか? 2023年の8月、海外投資家から中国へ2,350億元(約4兆8千億円)の投資がありました。これはコロナ後の回復期待で海外勢がこぞって投資をしたからです。しかし、中国経済は回復せず、政策金利を下げて経済刺激をしていますが、株価も下がり続けて、大手不動産デベロッパーの倒産が止まりません。すべての地方政府が赤字に転落している今、不動産市場の崩壊は経済を立ち直させるのにかなり苦労するでしょう。2023年末、海外投資額が87%減の307億元に落ち込みました。
    台湾も例外ではなく、対外投資に対する中国への投資の割合は10%強で激減し、逆に対米投資は9倍に膨れています。
    世界各国の企業が中国への投資をストップしている中、マイクロソフトや他の米国のIT企業は引き続き中国への投資を続けている様です。
    これは、親中派のバイデン政権の意向なのでしょうか?
     
     
    【豆知識】
    全米で人口に対してホームレスの割合が多い都市トップ10

  1. Eugene, OR.

  2. Los Angeles, CA

  3. New York City, NY

  4. San Jose, CA

  5. Seattle, WA

  6. Anchorage, AK

  7. Las Vegas, NV

  8. San Francisco, CA

  9. Savannah, FL

  10. San Diego, CA

【今週のローン金利】



 

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