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あの将軍がついに沈黙を破った。

これは以下のツイートに続く連続ツイートを載せたものです。誤字・脱字その他読みにくい部分は修正しました。

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あの将軍がついに沈黙を破った。
海兵隊でCrazy Mad Mattisと呼ばれ、海兵隊のトップに登りつめ、トランプの下で2年間、国防長官を務めたたジェームズ・マティスが大噴火した。

彼はトランプ政権を去ってから一切トランプ政権の批判をしなかった。軍を政治化することを避けたかったのだ。

軍の政治化の懸念に加えて、彼は現政権で国家を守るために努力をしている人にチャンスを与えるべきだとも考えていた。

しかし、いつか語らなければいけない時が来るともほのめかしていた。

それが昨日、2020年6月3日。彼は声明を発表した。

完璧に忠実な軍人として、あり得るキャリアの最高位についた彼が、生涯を通じて忠誠を誓ったのは憲法であった。彼にとって国家とは憲法であり、大統領やその他の個人ではなかった。

その声明は、もの凄い Intensity を感じる文章だ。言葉の中に、怒りと悲しみがあふれている。

ざっと要約する。

憲法で保障された国民の権利を侵害するために、憲法を守る誓いをした軍が動員させられるなどとは夢にも思ったことがなかった。
私たちの街を戦場と呼び、制服を着た軍隊がそこを制圧するというような考えは拒絶するべきなのだ。
軍事的対応をすることによって、虚構の対立が仕掛けられてしまった。市民社会と軍の紛争という対立が。これによって、制服を着た男女と彼らが守ることを誓った社会の間の、信頼に基づく絆を支える道徳的立場が侵食されてしまうのだ。
抗議に軍事化した対応をする必要はない。我々に必要なのは、共通の目的の下で団結することなのだ。そして、それは、”我々は全員が法の前では平等である”ということを保障することによって始まる。
ノルマンディ上陸の際のナチのスローガンは"Divide and Conquer"(分断し征服しろ)だった。それに対する我々アメリカ軍の回答は、"In Union, there is Strength"(団結するのだ、それが力だ)だ、と兵士たちは教えられた。
団結こそ、この危機を克服する。私たちは政治よりも優秀であると自信をもとう。
私の生涯において、トランプは米国民を団結させる努力をしない、そのふりさえしない初めての大統領だ。
我々が目撃しているのは、彼のこの意図的な努力、未熟なリーダーシップの3年間の結果だ。トランプなしで、我々の市民社会に内在する力によって、我々は団結することができる。この数日間が示したように、これは簡単なことではないだろう。
しかし、我々は、同胞の市民、我々の約束を守るために血を流した過去の世代、そして我々の子供たちに借りがあるのだ。
我々はこの困難な時を克服し、我々の目的とお互いの尊敬を新たにして、より強くなるだろう。
パンデミックが示したのは、我々のコミュニティの安全のために究極の犠牲を払うのは軍だけではないということだ。病院や、食料品店や、郵便局やその他で働くアメリカ人であった。この国とその市民のために命をかけたのは彼らだったのだ。
Lafayette Square(ホワイトハウスの前)で見たような権力の濫用よりも我々の方が優れていることを我々は知っている。我々の憲法をあざわらう政府の人間は拒絶し、責任を取らさなければいけない。
同時に、団結に向かって努力する時には、我々はリンカーンのいう”better angels"を思い出し耳を傾けなければいけない。
新しい道をとることによってのみ、そして、それは我々の建国の理想の道に戻ることであるのだが、それによって初めて我々の国は再び国内でも海外でも賞賛され尊敬される国になることができるだろう。

短い文章なので是非原文を読むことをオススメする。そして今これを書いている間にも次々と反響が活字でもテレビでも出てきている。

これを読んでいて、まるでジェファーソンや、リンカーンや、ワシントンがその辺に歩いているかのような気分になった。マティスやクオモのような人がいくらでもいて、彼らが原則に立ち戻ってアメリカの進むべき方向を示すために何度も何度も市民に語りかける。そんな作業をこの国は何百年も続けている。

諦めずに失敗を続けるという点で、アジア、アフリカ、中東で見てきた国とアメリカにとても近いものを感じる。現実とどれくらいかけ離れていても、理想を語り続ける人たちに囲まれて息がつまりそうになる、そんな瞬間が数知れずあったことを思い出した。

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