第30回 いつかやりたいことは今やろう！～学び続けても自信はつかない～

コーチングやキャリア面談で、「いつかこんなことをやりたいと思っています」という夢を語ってくださる方がいらっしゃいます。夢があるっていいですよね！
夢実現のためにこれまでたくさんの学びを重ねてきて、関連する資格もいくつか取得。うん、ステキです、着々と準備をしてこられたのですね。
でもさらに話を聴いていくと、「自分にはまだこういう知識が足りないから、この勉強をしようと思うんです」「あと、あれもできていないので、あの講座にも通う予定です」と、まあ、これからも学ぶ予定が盛りだくさん。こういう方、少なくありません。

やりたいことがある。でもそのやりたいことをやるためにはまだ知識／スキルが足りないから、もっと学ぶ。そうやって完璧にすべてを習得し、準備万端になってから自信をもって始めたい、その気持ちはよく分かります。でも一つ言えることがあります。どんなに勉強しようと資格を取ろうと、いつまでたっても完璧さには到達できないし、自信などつきません。完璧、という状態は幻想です。
そうして「いつかやりたい」のまま年月を重ねてしまうことになるのです。

ではどうすればいいのか。少しでもやりたいと思うことがあるのであれば、とにかくやってみるのです。どんな小さな一歩でもいいから踏み出すのです。一歩踏み出した先にしか自信はつきません。自分が満足できる人生・キャリアも、踏み出した先にしかありません。

わたしは２０２１年にストレングスファインダーのコーチ資格を取得しました。人の強みを発見するストレングスファインダーに魅せられ、これを使ってもっともっとたくさんの人の強みを発見し、自分がもつ可能性に気づいてもらいたいと思ったからです。
ストレングスファインダーに限らず、こういったツールの類はみんなそうなのですが、世の中にはそれについて詳しい人や経験豊富な人が山のようにいます。そういう方々に比べると、わたしはまだ資格を取りたてで知識は少ないし、経験も浅い。だから「ストレングスコーチ」と名乗って活動を始めることに躊躇がなかったわけではありません。でもいくら勉強しても学ぶことにはきりがないことをこれまでの経験からよく分かっていましたので、もう思い切って「ストレングスコーチ」を名乗り、１対１のコーチングやワークショップ、企業研修をどんどんやっていきました。
実際に提供することで、やはり机上で学ぶだけでは得られない知恵や経験が得られ、かつ当初の「人の強みを発見して、自分がもつ可能性に気づいてもらいたい」が実現でき、今はとても満足しています。
これがもし、もっと勉強しなければ人様に提供できない、と学び続けていたら、今のわたしの知識レベルや満足度には全く到達していなかったでしょう。怖くても一歩踏み出した自分を誇りに思っています。

「準備すること」「学ぶこと」を否定しません。
でも、もし、おぼろげながらでもやりたいこと、他者にもたらしたいものがあるのであれば、まだ不十分な気がしたとしても、やりたいことに向けて一歩を踏み出してみましょう。やりたいことをやる機会がすぐに見つからないようであれば、どんな形でもいいので「学んだこと」を実践したりアウトプットしたりしていきましょう。ちなみに、自分よりできている人、経験のある人を気にする必要はありません。そんなの気にしていたらきりがありません。自分のそのときの精一杯で臨むのです。

ぼんやりとでもやりたいことがあるのなら、まずは踏み出してください。
一人ひとりのその勇気が、世界をよりよくしていくと、わたしは信じています。

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