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【詩】緩やかにつながっている

呼吸をする
世界を循環する空気とともに
巡るエネルギーを肺いっぱいに吸い込む

酸素が血液にのって駆け巡り
世界を満たすエネルギーが
細胞の一つひとつにゆきわたる

水を飲む
世界を循環していた水とともに
巡るいのちで渇きを潤す

水分が体内に吸収され
世界を満たすいのちが
細胞の一つひとつにゆきわたる

あなたは日々なにかを想う
あなたが想うとき
思念はさざ波となって世界を震わせる

あなたは日々揺れ動く
あるときは小さな幸せの笑みがこぼれ
あるときは静かな哀しみに打ち震える
それらの感情は波紋を描いて
世界の隅々にまでゆきわたるのだ

潮のように満ち引きを繰り返している
あなたの想いも行為も
世界を一定の周波数で揺さぶっては
ふたたびあなたのもとに返ってくる
寄せては返す波と同じ
確実な運動だ

闇の中、独りぼっちで膝を抱えているときも
世界は緩やかにつながっている
あなたは世界の片隅で呼吸し
巡るいのちの営みに関与している

すべてはつながりあっている
心の目で見渡せば
美しく編み込まれた有機的な網の目が
宝玉を抱え込んで輝いているのが見える

ああ、あれはインドラの網
宝玉たちは互いに世界を映しだして
無限に響き合うのだ
微小なるものは宇宙全体を反映する
全体は微小なる一の中にある

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