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【詩】ある内的体感

内側はしんと静まり返り
わたしの身体は透き通って
やがて空白の中に
浮かび上がっている

身体性というものは
意識のずっと遠いところに
消え失せてしまう

浮遊

閉じた両眼の裏側が
明るく発光しはじめ
すべてを内側から
照らしているかのようだ

もはやわたしには
目を開けているのか
閉じているのかもわからない
内側も外側も
なくなってしまうのだ

わたしとそれ以外を隔てていた
意識の境界線がなくなり
時が流れているのか
どこにいるのかといったことも
おぼろに消え失せていく

輪郭線のないわたしは
ひとつの心的エネルギーで
静止しているようでいて
微細に振動している
振動しながら加速して
光の速さを追い越してゆく

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