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【詩】沈黙の声を聴く

心のうちに沈み
沈黙の声を聴く
『静寂(シランス)は
単に無音のことではない』
という言葉で始まる本が
私の目に飛び込んできた

それについて想いを巡らせる
かつて静寂には奥深さがあり
風格があったのだという
静寂は「場」である
とりわけ心の場なのだと

人生のある一時期に
祈りと学びを与えてくれた
観想修道会の修道院
静けさの中で黙想をする
「黙想会」に通った

質素でこじんまりとした
美しい祈りの家で
沈黙の言葉に耳を傾ける
「沈黙の言葉」
矛盾しているようだが
それは真実だ

内なる静けさの中で
神と対話するということは
沈黙の声を聴くことにほかならない
神秘家たちは
沈黙の中で豊かな交歓をする
「崇高な音楽を聴く」
と書いた中世の聖人は
無音の中で溢れる音を聴いた

私も豊かな静寂の中に
沈みこみたい
心の静寂がつくりにくい
せわしない現代の生活でも
内側に流れる時をスローにして
安らぎの中にとどまろう

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