【詩】専門技術の向上・3 of Pentacles

地の要素を持つペンタクルの物語は
お金や仕事が私たちの人生にもたらす
苦労と喜びを描き出す

創造的な数である3が
物質的価値観の中に置かれると
専門的なスキルを磨いて
地道な努力をしてきたことが
実を結ぼうとしていることを表す

新たなものを生み出すために
3人の違うジャンルの専門家が
教会のアーチの下に集っている
ひとりは彫刻家
ひとりは牧師
ひとりは芸術家を表すという

彫刻家はまだ見習いだが
一段高い台にのり
他のふたりに対して説明をしている
3つのペンタクルの施された
柱の飾りの下で

彼には今
チャンスがやって来たようだ
この教会の建築は
彫刻家にとって大きな仕事だ
これまで地道にコツコツと
腕を磨いてきた彫刻家の
才能を発揮する時が来たのだ

一説によれば
ペンタクル3に描かれた彫刻家は
ペンタクル8に描かれた職人と
同じ人物を表しているという
8番ではコツコツと研鑽を積む姿が
描かれている
3番ではその努力が実を結んで
大きな仕事に取り掛かろうとしている

このプロジェクトは
一人の力では成し遂げることができない
違う分野の専門家との
共同作業になるだろう

3つのペンタクルが形づくる
三つ組の飾りの下には
十字を抱いた薔薇の装飾
神秘の薔薇は
生と死の秘密を象徴していた
霊性のトリアッドと
物質性のペンタクルが結びつき
死すべき運命の肉体と
永遠の命を宿す霊性とが
融合し暗示されている

背景の黒と建物のグレーによって
全体の印象は暗い
スキルの向上という
テーマに照らし合わせても
重いような気がする
この建設作業は
軽やかでスピーディーには
行かないのだろう

大きなことを成し遂げるためには
それなりの時間を要するということが
ほのめかされているのかもしれない