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かっこいい寄付の巨人 チャック・フィニー


こんにちは、中村芳子です。独立系のFinancial Planner として20年以上、いつもお金と人生について考えています。新しい発見、感動、役に立つアドバイスを書いていきます。質問大歓迎。

 Charles Feeney(チャールズ・フィニー)氏 が2023年10月9日に92歳で亡くなった。1兆円を超える財産のほとんどを生前に寄付して、晩年は2ベッドルームの賃貸アパートに住む質素な生活を送っていた。かっこいい! NYTimes 10月09日 Robert D. McFaddenの記事から、彼のライフスタイルを紹介しよう.

貯めたお金を使えない、寄付できない人たち

 ここ数年、FPとして50歳以上の人たちに老後資金の話をするとき、「せっかく貯めたお金だから、生きてるうちに活かして使おう」と提案している。でも、それが難しい。試算して生きているうちに使いきれないとわかったお金も、寄付できない人は少なくない。もったいない。チャックの人生とお金の使い方を見てみよう。

免税店ビジネスで大成功 富を作り始める

 チャック・フィニーは(Charles Finney という19世紀の有名な伝道者と区別するためChuckと呼ぶ)1931年にアメリカのNJ州、労働階級の家庭に生まれた。奨学金で高校に進み、その後、自分で働いたお金で大学に進んだ。25歳で大学を卒業し、ヨーロッパで友人と始めた免税店ビジネスで大成功する。その後のビジネスや投資も成功をおさめ、億万長者に。

贅沢な暮らしは楽しくない


 しかし、贅沢な生活には馴染めず、51歳でバミューダに財団(後のアトランティック・フィランソロピー)を設立、匿名で寄付を始めた。その2年後に約750億円相当の株式を財団に寄付している。「僕は自分が大金を持つことに疑問を感じ始めていた。そして、自分はお金や豪華ヨットを持つことに魅力を感じないことに気づいたんだ。」と言っている。一時は、世界の7箇所に豪邸を構える裕福な生活をしたが、60歳で30年以上連れ添った妻と離婚した時に、すべての邸宅と多額の財産を妻に渡した。

 彼が匿名で寄付をした先は、大学、医療機関、科学研究活動、人権団体、平和活動、そして世界各国の生活向上を目的とした活動。ハイチ地震など災害地域の支援もした。世界5大陸の1000以上の建物に4000億円の寄付をしているが、どの建物にも彼の名前はついていない。2016年、81歳で母校の大学に学生が奉仕活動をするために約10億円を寄付した後、口座が空っぽになった財団は活動を終えた。

 晩年の30年は、2ベッドルームの賃貸アパートに再婚した妻と住み、車を持たずバスを使い、10ドルの腕時計をしていた。亡くなった時には、約3億円が5人の成人した子どもたちに残された。

ビル・ゲイツとウォーレン・バフェットのヒーロー

ビル・ゲイツ氏やウォーレン・バフェット氏も積極的に慈善活動をしているが、ふたりはチャックを自分たちのヒーローと讃えている。どちらも自分の財産のほとんどを生前または死後に慈善事業に寄付する「寄付の誓約」にサインしている。

チャックはこう語っている。「生きている間に財産を寄付すること以上に、喜びを与えてくれることを僕は思いつかない。人々の状況を良くするために貢献できるんだから、本当に意味あることだ。」

「生きている間に財産を寄付すること以上に、喜びを与えてくれることを僕は思いつかない。人々の状況を良くするために貢献できるんだから、本当に意味あることだ。」

もちろん、ビジネスや投資を通じて彼はたくさん社会に貢献してるのだけどね。

どこに寄付したらいいかわからない人のためのリスト

どこに寄付したらいいかわからない、という人に、このリストをささげよう。チャックが寄付した先だ。1億円でなくても1万円でも人の人生を変えられる。

  1. 大学

  2. 医療機関

  3. 科学研究活動

  4. 人権団体

  5. 平和活動

  6. 生活向上を目的とした活動(米国、ベトナム、南アフリカ、オーストラリア、イスラエル、ヨルダンなど)

  7. 地震などの災害支援

 いま、世界中に助けを必要としている人たちがいる。地震、洪水、戦争、内戦、人権侵害、地震、洪水、難民、テロ犯罪、etc. あなたが誰かをサポートできるチャンスは無限にある。私たちもチャックに倣って、生きているうちに、人々の状況を良くする働きに貢献したい。せっかく一生懸命働いて、一生懸命貯めて、一生懸命増やした財産だからこそ。

NYTimes の記事こちら 

中村芳子 有限会社アルファ アンド アソシエイツ
https://al-pha.com/column/


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