進展、前進
1 空中戦
理解をできないだけなのかもしれないけど。事実認定、法律の適用、法の適用による問題解決について議論をするとき、あるべき答えは一つということは法律の場合、全くないとは思うけど。
ガクッと力が抜けるときがあるのは、話が噛み合わない、それは空中戦ではないかというときです。
2 先人への敬意の有無なのか
共通言語がある、ない、という言い方をすることがありますが、それは何故なのかと考えると。その世界、業界におけるそれまでの歩みを踏まえていないということなのかと。
築き上げる、前に進めるというとき、ほんの少し枠を広げてみよう、変えてみようというとき、それまでの経過を踏まえて話をしないと、伝わらない。
本当は一足飛びに真実を掴んでいるのかも知れないけど、踏まえていないと「独りよがり」と切り捨てられてしまう。
これはいわゆる守・破・離のことか。学問の世界でも同じ。実務の世界ならなおさら。
3 卵が先か鶏が先かー 一流といわれる人の共通点 ー
振り返って考えるに、本当に一流とされている研究者、学者、実務家の方を思い浮かべると、もって回った言い方をしない、わかりやすい文章、話し方、簡潔ということです。論旨明解。
他方、結局、ああ張りぼてというか、張ったりの人だったのかなという人の場合、まさにこの逆かと。しかも特徴として思うのは、やたらと自分を大きく見せようとする言葉が会話の端々に出るという。肩書き、地位、そうしたものを持っている親族のこと、著名人との交友などなど。
知る一流といわれている方々は、素朴で質素な印象です。オーラとかもなく。
一度、びっくりしたのは、今は最高裁裁判官をされている宮崎裕子先生。ある会議の場で初めてお見かけし、挨拶をさせていただいたのですが、初め、その人とは全く分からず。オーラなし。しかし、続く議論の場となったときの発言が、まさにシャープで、それまでのぐちゃぐちゃとした報告を一刀両断にされていました。
そんな宮崎裕子最高裁裁判官の任期も2021年夏で終わるようです。あと1年ちょっとですが、私が知る滝井先生のように、最後、弁護士任官された最高裁裁判官として活躍して欲しいです。
4 最高裁判所の判決文
確かに全てが全てではないけど、簡潔にして要領を得た文章のお手本は、最高裁判所の判決文だと思っています。無駄を削ぎ落とした文章。
その結論の是非は別にしても、過程を示そうとしている痕跡のある文章(ないものもありますが)。型のある文章。
歴史の中の文章、書面です。
最高裁判決が、法の歴史を少しずつ推し進めていく。
(以上)