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【資本主義をチートする08】車を1台買うと、家が買えてしまうことをあなたは知らない。

 資本主義社会の裏側を覗いたり、ちょっとしたチート術でこの荒波を乗り越えてゆこうという連載だが、前回はマイホームについてお話をしたので、そのついでで「車・マイカー」についても少し触れてみたい。

 さて、いきなりズバッと結論を言ってしまうが、車を一台買うと家が買えてしまう。たいていの人はそうだが、誰も気づいていないのであえて書いておこう。

「え?車ってたかだか100万から200万円なのに、家を買うには数千万円がかかるから、金額の大きさが違わない?」と感じるのが普通だが、よくよく考えてみると納得していただけると思う。

 わたくしヨシイエは、比較的田舎に住んでいて、車が必需品である。以前は北海道に住んでいたこともあるので、車がないと生きていけないほどである。それに対して、東京などの大都会で暮らしている人の中には、車を持たず公共交通機関のみで生きている人もたくさんいるが、それはそれで「合理的」なのである。

 車を買うと、どんな生き方をするのか考えてみよう。

 20歳で最初の車を買うとしよう。中古でもいいし、まだあんまりよくわかっていないので、もしかしたら軽を買うかもしれない。100万円前後であろう。

 30歳で結婚して、こどもが小さかったりするので、ミニバンに買い換えるだろう。送り迎えとか、公園に行ったりキャンプもするので、やや大きい車のほうがいいからだ。200万円前後の車になるかもしれない。

 40歳では買い換えず、我慢する。45歳になって、子供をたくさんミニバンで連れ歩かなくなるか、あるいは部活動とかでめっちゃ乗り回すか、分岐点になるだろう。それでも30歳から15年も経っているので、次の車にする可能性がある。ここでも200万前後必要になるかもしれない。

 55歳から60歳になると、子供のための車はいらないので、夫婦ふたりでセダンになるかもしれない。お金に余裕があればセダン系、なければ軽に戻るが、それでも100万円くらいは必要だろう。

 65歳から70歳で、最後の車だ。買い換えるか、それとももうそのまま行くか・・・。最後の車、となるといろんな意味で気持ちがセンチメンタルになるだろう。55歳から10年乗った車で、あの世まで行くかどうか悩ましい。

 しかし、ここまでですでに合計600万円ぶちこんでいる。あと1回100万の車を買ったとしても、合計700万円だ。あまり変わらん。

 そして、これに車検代がかかる。2年に一回の車検において、部品交換なども含めると、20万かかるとする。20歳から70歳まで50年間あり、その間25回の車検に遭遇するとして、計500万円になる。

 それに、自動車税だってかかる。こちらは年4万円として、50年間の総計が200万円である。

 おまけに任意保険だ。こちらも年5万として50年で、250万である。

(ここまでで既に総計1650万になっている)

 これに、ガソリン代が月5000円にしても、総計300万円かかる。その他オイルやらの消耗品を見立てて、年1万として、総計50万円。


しめて2000万円ちょうどである。中古のマンションが買える


 奥さんの分として2台も乗っている我が家であれば、4000万も車にぶちこむことになるのだ!!!

 地方なら新築の一戸建てが買えるではないか!!!


 そして、よくよくよーく考えてみても、これらの金額はそうそう「始末・節約できない」ことに気づくはずだ。

20歳から70歳の、50年間の人生において、100万円の車を大事に大事に20年ずつ乗っても(←すごいことだが)3台は必要で300万。

それ以外の費用は、ほぼ削れない。下手すると20年ずつ乗っていると、車検の部品交換費用がもっと高くなるかもしれない。始末して我慢して、一切全く贅沢をしなくても、総合計は1600万くらいかかるのだ。

 これでも中古のマンションは買える金額である。あまり大勢に影響がないくらい、そこそこかかってしまう。

 仮に、10年毎100万の車を乗り継いでも、1800万であり、10年毎150万にグレードアップしても2050万、10年ごと、ええい200万の車じゃ!でも、2300万で、そんな倍になるほど違わないのである!!

 まとめてしまうと、「車のある人生は、約2000万前後かかる」

で間違いない。


 そりゃあ、若者は車買えんわな。


 さて。こういう事実に直面して、ヨシイエは結局「2000万円÷50年間」であるから、1年あたり車にかかる費用は40万である、と逆算した。

 わかりやすい結論を導き出すとしたら、年間40万円の余裕があるおうちは、車を買ってもよいということだ。(駐車場代のぞく)

 そしてなおかつ、もっとも効率のよい車の乗り方を考えに考え抜くと、ひとつの公式にたどりついたのである。

 つまり、こういう話だ。やっすい車を買っても、何年かでつぶれてしまうだろう。しかし高い車を買っても、それ1台で20年も30年も乗るのはおそらく不可能だ。ということは、20万円の安い中古から300万近い新車まで、いちばんコスパの良くなる地点が存在するに違いない、と考えたわけだ。

 300万の車だからといって、30年乗れるわけではない。20万の車だからといって、同じ比率で言えば、2年持ちこたえればOKで、そこから先は利益だということになる。


 さあ、ここから「もっともコスパのよい公式」を組み立ててゆく。車検が2年で20万なら年間10万円である。↑の諸費用をいろいろみてゆくと、税金4万、保険5万、ガソリン6万、その他1万として合計26万円になる。

 車を所有する限り、この「年間26万円」というのは絶対最低必要な金額で、修理の部品代などが上昇することはあっても下降することはほとんどない。つまり、最低の金額だ。

 車体本体費用を込めると、年間40万として、その差額14万円が、「車そのものにかかるコスト」だと言える。たとえば14万×10年間乗ったら、140万の車を10年乗りつぶしたこととイコールだ。

 これなら、二昔前のカローラレベルなので、実に標準的で庶民的な感覚だとわかるだろう。けして贅沢はしていないのだから。


 細かいことはすっとばして、この「年間いくらかかっているか」で、生活レベルの判定もできる。


■ 年35万円以下  ・・・車に関してドケチかボロ車か、めちゃくちゃ長く乗っているか。


■ 年40万円~    ・・・庶民なカーライフ。


■ 年45万円~    ・・・ふつうなカーライフ。


■ 年50万円~    ・・・ちょっと余裕のあるカーライフ。


■ 年60万円~    ・・・プチセレですね。あなた。


■ 年70万円~    ・・・おっかねもつぃぃぃ!


になる。

☆なぜそうなるのか説明すると、年70万ー26万だと、44万。つまり10年乗ると想定される車の金額が440万だからざっくり言ってレクサスか外車だ。

☆年60万コースだと、34万×10=340万でアルファードが圏内に入ってくる。

(これらはあくまでも50年間通算しての平均だ)


さて、公式から導き出されるのは、「どんなに始末して節約しても、年間35万を切ることはなかなか難しい」ということである。

 年間26万円はかならずかかるのだから、35万ということは、「車体本体9万の中古車を一年乗る」ということだ。おお!これは厳しい。ギリギリ可能かどうか怪しいところである。9万の車で1年持ちこたえてくれたら御の字、という状況になる。まあ9万の車なら遅かれ早かれぶっ壊れるだろう。

 しかし、よく考えてみよう、「車体本体27万の車を3年乗る」ならどうだろう。9万の車より、壊れずに乗ることができる率が高くなりそうだと気づかないだろうか?

「車体本体45万の車を5年乗る」なら、もっとあり得そうだろう?「車体本体90万の車を10年乗る」でもいい。これもきっと大丈夫だ。


 ぶっちゃけて言えば、ここが損益分岐点のギリギリラインである。9万だとキリが悪いので、ズバッと年あたり10万円の車体価格が公式となる。

「100万円の車に10年乗る」のは「10万円の車に1年乗る」のと同じで、それ以外にかかる費用は、(細かい修理の状況とかが異なることはあるだろうが、理論上は)まったくおなじ年間26万円である。


 このあたりになってくると、「もう何言っているかわからない」と脱落する人も出始めると思うので、結論だけズババババンと書いておこう。


「車を買うときに、一番コスパがいいのは「乗る年数×10万円」の車体価格のものだ」


ということである。それより下げることは、かなりギリギリのラインで難しい。わかりやすいベースは、あくまでも「100万の車に10年乗る」である。「200万の車であっても20年は乗れない」ということだ。

 逆に言えば、「30万の車なら、3年で元は取れているので、次の箇所が壊れる前に、乗り換えろ!」ということだ。

「40万の車なら、3回目の車検はほったらかしにして乗り換えろ!」ということだ。次に交換部品が出てくるくらいならボツにするほうが安上がりになるのだ。

 「20年間高い車に乗りつづけなくてはならない」くらいなら「10年落ちの車を2〜3年毎に乗り換えるほうが、ずっと新しい車に乗れる」ということでもある。


  今回のまとめである。

 だからヤンキーは形落ちの外車を短期間で次々に乗り換えるのだが、それは理に適っているのである。

 ということだ!笑


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