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しくみ化に大切な臨床知

サイボウズにはザツダン文化が根付いています。その一環として、半年ほど前から「コミュニケーションが固定化しているメンバーに、普段とは違う継続的な繋がりを」をコンセプトにした活動に参加しています。

隔週で4人グループのザツダンを行い、話すテーマを各自順番で決めています。僕の番では、誰もが話せそうなテーマがいいなということで「好きな本の一節をプレゼンしよう」にしました。

毎回それぞれが話す内容が独特で面白いのですが、好きな本の一節も多種多様でした。「哲学」「伝記」「人材・組織開発」「そもそもあんまり本読まないんだよね」と十人十色。これが多様性か、、

特に印象的だったのが、人材・組織開発の話で「アカデミック・プラクティショナー」という存在でした。初めて知りました。

アカデミック・プラクティショナーとは、「学問」を意味するアカデミックと「実行者」を意味するプラクティショナーを組み合わせた言葉で、ざっくりといえば「科学知と臨床知を持って、課題解決に向き合うことができる人物」を指すそうです。

ふむふむ、なるほど。これをWebサイトに置き換えてみるとどうなるのか、と想像してみました。

科学知で思い付くところでいえば、以下のような要素でしょうか。

  • 企画立案としての4C、4P分析など

  • 戦略可視化としてのKPIツリー、カスタマージャーニーマップなど

  • 振り返りとしてのKPT、PDCA、OODAなど

  • Webサイト構築の基本要素(情報設計、デザイン、原稿作成、開発など)

  • UX(ユーザーエクスペリエンス)の理論

  • SEO(検索エンジン最適化)対策

臨床知でいえば、以下のような要素がありそうです。

  • 過去のプロジェクトで何がうまくいったか

  • もしくは何がうまくいかなかったか

  • 特定の業界や顧客ニーズに対する理解

  • 特定のサービス・ツールやプラットフォームの使用経験

  • 特定のプログラミング言語や開発においてのベストプラクティス

これまでを振り返ると、僕は臨床知を重視する傾向が強かった気がします。勘と経験でやる、みたいな。よくない、よくない。。

臨床知は、臨床というだけあって仕組み化するハードルは高そうな気もしますが、元々は科学知も臨床知からきたものということなので、できないことはないはず。

ただ人材・組織開発の話では、人や組織の現象について科学知で解決可能なのは3割程度とも言われています。残りの7割は、科学知を補う臨床知が必要になるとのこと。

Webチームの今後の方向性として、1対1での個別最適よりも、仕組み化できるところはしてしまって全体最適に舵を切る方が、事業への影響は大きいのでないかといった議論もあったりもしますが、単なる仕組み化というよりは、いかに自社に合った臨床知の仕組み化が重要かを再認識しました。

こういうことが学べるザツダンっていいなと改めて思いました。ちなみにそのときに紹介されていた書籍はこちらです。

冬休みの宿題が1つできました。

Webチームのアドベントカレンダーも何とか完走できました!


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