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高専という学校を進学先に選んだきっかけ

日常を幸せにするのも、人生の転機も、始まりはほんの些細な『きっかけ』から。このマガジンには、そんなきっかけを宝石箱にしまうように、書きためていきます。

4月。入学シーズンということで、僕がなぜ高専に進学したのか?そんなきっかけをお話ししたいと思います。(もう十数年前の話です)

* * *

ちなみに高専という学校をご存じない方のために一応説明しておきますと…

高専とは
○ 正式には工業高等専門学校といい、略して高専(こうせん)と呼ぶ。
○ 高専の前には東京とか大阪とか、だいたい地名が付く。
○ 高専は各都道府県に1校、多いところで3校くらいある。
○ 中には商船高専という船乗りになるためのちょっと珍しい高専もある。
○ 5年制の学校で、工業高校と大学の理工学部がくっついた感じ。
○ 実践教育が特徴。授業スタイルは大学と同じ。実習がいっぱい。
○ 卒業すると短大卒資格。卒業後、大学3年に編入する学生も多い。

偉そうに書いてるけど、実は中学2年の終わりころまで高専という存在を知りませんでした。中学を卒業したら3年間高校に通って、そのあと4年制の大学に通うのが普通だと思ってました。

それなのに、どうして高専を進学先に選び、結果として高専に入学したのか。そのきっかけは、間違いなく中学3年の時の担任S先生です。僕に高専という学校を教えてくれた先生でもあります。

中学2年の時には、自分の進路をかなり明確に決めていました。実は建築家になるのが子供の頃からの夢で、高校ではまず工業高校の建築学科に進学しようと決めていました。

中学の進路指導の時間に、そんな話をS先生にしたと思います。その時に紹介されたのが、県内の高専です。その中でも材料工学科という選択肢です。

「建築の本格的な勉強は大学に行ってからできるし、その方がいい。」

「高専で建築に関わる材料の基礎を学んで大学3年へ編入すればいい。」

「お前なら推薦状を書いてやれる。面接試験だけで入学できる。」

そんなことを言われた気がします。(ちょっとうろ覚え…)

当時にしては割とはっきり自分の進みたい道を描いていた割には先生の勧めに心が揺らいで、煮え切らない僕の背中をS先生が押してくれる感じで、高専を推薦受験することになりました。

でも、先生がそう言うんだから、そのルートがベストなんだろうとその時は思ったのです。

そして高専の入学面接で僕は、建築家になりたいという夢を語りました。建築家になりたい、だからまずそれに関わる材料の勉強をするんだ、と。

それに対する面接官の先生(その後、僕に鉄鋼材料の基礎を教えてくれることになる先生)の一言は今でも忘れられません。

「うちは建築材料の研究とかは、やってないからね。建築家っていうのはちょっと違うかもしれないね。」

その時、頭は真っ白になりました。その瞬間、「こりゃもう不合格だ」と悟り、それまで面接対策を中心にやっていたけど、面接試験から帰った日から、高校の一般受験に向けて追い込み猛勉強をスタートしました。

でも、結果としては合格したのです。なんで?!って思いましたが、何度見ても通知に書かれている文字は「合格」です。

学校からの推薦を受けて合格した者は入学を辞退することはできない、と当時教えられていたので(どこまで拘束力があったのかは知らない)、そのまま高専の材料工学科に進むことになりました。

確かに、僕が進学したところでは建築のケの字も見当たらない世界でした。もともと志した分野とは違う道を歩んできたけど、この道はこれで、面白いと思えるところもあります。

・・・と、まだまだ話したいことはあるけど、これ以上書くと長くなりそうなのでこの辺にしておきます。もし進路選択に関することで聞いてみたいことがある学生さんがいらっしゃったら、気軽に、TwitterでDMください。

この4月から、新しい進学先、職場、コミュニティで活動を始める人もいるでしょう。

もしかしたら、自分が志した道とは違う場所にいる人もいるかもしれません。でも、だからと言ってふてくされても、何もいいことはありません。

「自分が想像してた未来とは違う場所に来れた!ここでやってみよう!」

「想像してたところとはちょっと違うけど、まぁなんとかなるさ!」

「行き着いた場所がどこかはともかく、自分らしくいこう!」

「周りはきっと応援してくれる。感謝の気持ちを忘れずにいこう!」

そんなふうに考えて活動できれば、きっとあなたは幸せです。ちなみに、やってみよう!なんとななるさ!自分らしく!周囲に感謝!の4つは幸せの4因子と言われています。

4月からの新年度、2020年は波乱の幕開けになっていますが、それでもこの4つを忘れずに過ごしていきたいですね。

この記事の表紙画像は、写真ACのfujiwaraさんの画像をお借りしました。ありがとうございます。

お気持ちだけでも嬉しいです。ありがとうございます!