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今更と言ってもいいかもしれない、名作「ゴールデンスランバー」を読んだ。


人にはそれぞれ帰る道がある。
しかし永遠にその道は変わらないしなくならない、と断言できるのだろうか。
ある日突然その道が消えたら?
それでも生きていけるだろうか。

現実を受け入れられず茫然と立ち尽くし、何かの間違いだと思い込む。
そしてしばらく待てば元どおりに戻ると信じている。
待っている間に周りの状況はどんどん変わり、自分はなにか大きな目に見えないものに押しつぶされていく。
自分の居場所はなくなり、どれだけ身を縮めても押し出されていく。

ポンッと破裂音がすると同時に自分は世界からいなくなる。
誰にも気づかれずに。
世界はいつもと変わらない1日であるかのように進む。
そして気がつく、その道は戻ってこないことを、今ではかつての道になってしまったことを。
 

どんなことが起きても不思議ではない。
自分の知っていることが、自分の思っているように動く世界じゃないのだから。
知らないことの方が多いのだから。
そしてその予想外の出来事に対して、自分がどう対応するか、その局面こそ自分の力が問われている瞬間ではないのだろうか。
お前はやれんのか?と。
真っ向から立ち向かってもいいし、逃げてもいい。
途中で考えを改めて進路変更してもいい。
ただ1つだけ守ることは、全力で行うこと。
孤独と感じる時でも、精一杯やっていれば、きっと誰かわかってくれる。
応援してくれる。
それだけでもいいじゃない?

【心に響いた一文】

・無様な姿を晒してもいいから、とにかく逃げて、生きろ。人間、生きててなんぼだ。(p159)

・思い出っつうのは、だいたい、似たきっかけで復活するんだよ。自分が思い出してれば、相手も思い出してる。(p265)

・雅春、ちゃっちゃと逃げろ(p585)

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