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性への目覚め

【実体験】

話は小学6年生に遡る。僕の同級生はたったの9人。男子6人、女子3人だ。こんな小さな学校でも、僕たちは大人の階段を着実に登っていたのだ。

僕たち6年生の教室に、「お〜い!竜馬」という漫画が並べられていた。いつからあったのだろう、それは少し古くさい感じがして、誰も手をつけていなかった。

ある日のことだ。自習の時間となった。
僕は特にすることがなく、「お〜い!竜馬」一巻を手に取り読み始めた。面白い、どうやら幼少期の坂本龍馬から始まり、成長していく物語のようだ。それを機に僕は読み進め、男友達も一緒に読み始めた。

たしか三巻だったはずだ。
龍馬の母親が亡くなるというシーンがあった。幼少期の竜馬は弱虫で、「おかあさん、おかあさーん」と泣き続けた。竜馬と母親を取り囲む人々も涙ぐむ。
それから竜馬は力強く生きていこうと決心するのである。そんな感動的なストーリーで三巻は終わる。

四巻は、年月が経ち竜馬が15才ぐらいになって始まった。それからあれやこれやと話は続き、四巻の中盤あたりだったと思う。
章のタイトルは「男への脱皮」、その章で竜馬は1人の女と出会い、部屋で2人きりになる。すると女は、服を脱ぎ始め一糸纏わぬ姿になり、竜馬に一言、「おまんも脱ぎや。」

1ページ使われた女の全裸は刺激的で、僕はすぐさま友達に共有した。
それからの僕たちは毎日のように、そのページを見て興奮していた。

そんなある日、事件が起きたのだ。
「お〜い!竜馬」四巻が消えた。
僕たちは驚いたが、すぐに解決した。ある友達が机の引き出しに隠していたのだ。その友達はいままで性に対して興味があるような素振りは見せていなかった。だが、実は興味津々だったのだ。それが面白くてみんなで笑った。

そんなちょっとした事件が起こり、触発された僕も行動に出た。こんなことをしたのはどうかと思うが、欲に負けてやってしまった。
四巻の例のページとその章のタイトルが書かれたページを切り取り、三巻にくっつけたのだ。

そのことを知らないみんなは、いつものように四巻を取り出す。あれ、おかしいという顔だ。それはそうだ、いつもいる裸の女がいなくなったのだ。僕は悠然と三巻を読んでいた。
しかし見つかるのは時間の問題だった。
別にずっと隠して独り占めしたかったわけではないから問題ない。そして、その繋げたストーリーはみんなに好評だった。

三巻のとあるシーン
幼少期の竜馬が泣きじゃくる。
「おかあさん、おかあさーん」
周りのみんなも涙。
ページをめくると、
タイトル「男への脱皮」
そして全裸の女が言う、
「おまんも脱ぎや」

【現在】

あの時は我ながら傑作だと思った。
今になって文字におこしてみると、
あまり面白くない。笑
自分の記憶が正しいのかもわからない。そして後から知ったことだが、「お〜い!竜馬」の作者は武田鉄矢さんだった。作品で遊んでしまってごめんなさい。
しかし、あの漫画がきっかけで僕たちは性に目覚めたというのは間違いないだろう。もちろん作品内容も面白い。

この日記のまとめとしてはこうだ。
・性について書こう
・あれは面白いエピソードだったな
・今書いてみるとあんまり面白くないな
・昔と今の感覚は違う、そんなもんかな
・またリベンジしよう、性に関するエピソード  はまだいくつかある
・今回は導入、前書きみたいな感じ
・ものは大切に扱わないとね

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