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平屋を建てる 17週目

20240812記

火曜日。妻も一緒に会社を午後半休にして新宿に向かった。オフィスビルのワンフロアがまるまるLIXILのショールームになっていて、宇都宮のロードサイド店よりも広いのではないかというくらい広く、展示内容が充実していた。さっそく目当ての玄関ドアコーナーを訪ね、ドア色を次々と確かめていった。僕は正直あきらめそうになったというか、2〜3色くらいまで絞り込んだあとは「その中のどれが最適か」についてよく分からなくなっていた。でも妻はそうでなく、粘り強く検討を続けていた。写真をとって建築家のNさんに送ってみたりもしたがすぐに返事が返ってくるわけもなく、結局は自分たちで決めるしかないのだった。これで行こうと妻が決めてくれて、僕はホッとした。彼女の決断力はいつも頼もしい。訪ねたのが遅い時間だったこともあり、店内に流れる音楽が蛍の光に変わり、もう閉店の時間だった。

土曜日。建築現場の近くのサイゼリヤでNさんと打合せ。工事の進捗や見積りの変更額について確認した。工務店のYさんにも同席してもらって3者で打ち合わせたかったのだが、都合が合わず、Nさんから話を聞くことになった。工事は少し遅れ気味のようだった。見積はなかなかの増額だった。水道撤去費用という予期せぬものもあれば、僕らが希望したため新しくかかる費用があり、また、Yさんが入れ忘れていたことが分かり追加された項目もあった。一つひとつNさんから説明を聞きながら、見積りをし忘れたもののなかの一部は削除してほしいと伝えた。見積りを忘れたならその全部を工務店に持ってもらえばいいという考え方もあるのかなと思ったが、それはさすがに酷だろうし、関係性がギクシャクするのも嫌だと思ったのでよした。それにしても100万円を超える増額である。なかなか痛い。なんとかするしかない。

ひと通り話が済むと、今度は現場に行って確認したいことがあると言われ移動した。Nさんは自宅から自転車で来ていたのでそのまま自転車で現地へ。僕らは車で向かった。現場では大工さんが1人で作業をしていた。加藤さん、こんにちは! とNさんが声をかけた。このとき初めて、いつも働いてくださっているベテラン大工さんの名前をちゃんと認識した。僕らも挨拶をして建物のなかに入った。確認したいと言ったのは、コンセントとスイッチの位置や高さのことだった。図面を見ながら、各部屋を順番にまわり、ここにコンセントが来ます、ここの高さはベッドから手をのばせば届くことを考えるともうちょっと低いほうがいいですか? などなど、一つひとつ確認していった。変更するところはNさんが赤字のマーカーで直接、柱や壁に書き込んでいった。確認が終わり、あらためて、室内を見まわすと、先週は壁に立てかけてあった窓のサッシも窓枠にきちんとはめられ、ふつうに窓ができていることに気がついた。家のなかで南東に位置するリビングの窓がもっとも大きい。鍵を開けて、スライドさせてみると、ずしりと重かった。これを毎日、開けたり閉めたりすることになるのか。ずいぶん立派な窓だな。いま住んでいる築40年以上のマンションの、冬場は必ず結露する薄い一枚ガラスの窓に慣れた身からすると、ものすごい進化を感じるのだった。

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