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平屋を建てる 14週目

20240723記

日曜日。お昼すぎに現場を見に行った。水曜だか木曜だか、気がつけば関東は梅雨明けをしていて、長雨の心配はなくなった。屋根は先週と変わらず、防水シートと思われるシートが敷いてある状態のままだった。昨日の夜遅く、突然の大雨が降ったのだが、土が湿って黒々としている程度で建物のほうは乾いていた。先週からの変化、目に見える進捗で言えば、壁板で覆われるエリアがぐんと増えた。窓枠の位置や大きさが明確に見えるようになった。家の外観がよりはっきりと分かるようになって、ぐっと家らしくなった。建物の中に入る。細かいところが少しずつ進んでいるようだった。いまはまだ玄関ドアがないから、こうしてふらっと現場を訪ねては勝手に中に入って勝手に見学しているけれど、ドアや窓が取りつけられたら、いちいち玄関ドアを開けて入らなければならなくなる。人の家に勝手に入る感じがして気が引けるだろうなと想像して少しドキドキした。まだ先のことなのに。でもその時、玄関のカギはかかっているのだろうか。今日みたいに工事中の建物の中に勝手に入ることはできるのだろうか。変な想像ばかりがふくらむ。

キッチンになる予定の角部屋から外を眺める。窓が入る予定のまだガラスの入っていない窓枠ごしに外を眺める。池のまわりをぐるりと囲む木々の緑が見える。僕らと池とのあいだにはまだ2列分ほどの住宅地が並んでいるため池そのものは見えないが、この季節の濃く鮮やかな緑色はとてもよく見える。20年も前からこの池を訪れるたびに、緑が多いこのエリアが好きだった。こんなところに住めたらいいなと憧れた。それがいま実現しようとしている。漠然と憧れていて、なかばあきらめ、その夢さえも忘れていたはずなのに、ひょんなことからあれよあれよと話が進み、こうしていまここにいる。転職を繰り返していまの職場に出会えたこともそうだが、人生は本当に何がどうなるか分からない、不思議なものだとつくづく思う。

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