見出し画像

「入院させないで」と頼む意味

3つの病院を転々とし、2/22に父は退院して施設に戻った。3カ所目のH病院にいたのは約2週間で、2カ所目のE病院の目論見通り肺炎の継続治療で夜間の痰吸引がなくなったというか、主治医と電話で話したところでは「夜はおやすみになっているのでわざわざ起こして吸引する必要がない」とのことだった。
もやもやすることの多かったこの病院ではあるけれど、受け入れてもらえたことと施設に帰れる診断をしてくれたことについては感謝している。

父は結局、食事を口から摂ることは難しくなっていて、胃瘻で栄養をとることになった。ケアマネさんから連絡があり、入院を経てプランを再度作り直すにあたって何か希望はないか? と問われ、

  • できるだけこの施設で隣接している在宅医療の先生に診てもらいたい

  • 可能であれば少しでも口から食事ができるとよいが、リスクがあれば希望しない

という2点を伝えた。
2点目の食事については、リハビリ専門病院のように言語療法士(嚥下訓練ができる専門家)がいないので難しい、という回答だった。
これは予想通りというか、そもそも誤嚥性肺炎で体調が悪化しているところにリスクの高い口からの食事を依頼するのがどうなんだ、と思うけれど、言わないと伝わらないし。
とはいえ、父を肺炎でまたつらい思いをさせるのは嫌なので、しかたない。

もう1点については、わかりやすく言えば「体調が悪化しても他の病院に入院させず、施設で看取ってもらいたい」ということだ。
今回のコロナと誤嚥性肺炎の罹患で父の体力はかなり落ちている。そこにきて口から食事できないとなれば、いくら胃瘻があっても少しずつ弱っていくだろう。
例えばもう一度肺炎になって他の病院に入院すれば、二度と施設には戻れないだろう。家族も会えない、なじみの職員さんもいない病院で父は死ななければならない。

父がどう思っているか、父ならどうするか、もう身内で相談できる人間はいないので、1人で考えて決めた。
弟に相談することは、いろいろあって(内容はまさに身内の恥なので控えるけど)あきらめた。
そして案の定というか早速というか、また父の体調が少し悪くなり、発熱はしていないものの血液検査の結果炎症反応があり、脱水がみられるとのこと。
2週間毎日訪問看護師さんに施設の部屋に来てもらい、点滴を含めたケアをしてもらうことになった。

弱っていくことはしかたない。だけどどうかこのまま施設で対応してもらえる状況が続くよう、祈るしかないんだと思う。

母はというと、40日間父と離れていて忘れたかと思いきやそういうこともなく、以前のように父の部屋に行き、ベッドに入って眠ろうとするそうだ。
職員さんは父の負担を心配して、いっそのこと父の部屋に母のベッドを持ってこようかと相談していたところに点滴となってしまったので、「どうにかお母さんには自分のお部屋で寝てもらうようにします。」とのことだった。
どうしても父の部屋に行ってしまうようであれば、母の部屋を別の階にするかもということだけど、さてどうなるか。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?