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第2話 かつての旅仲間に「北朝鮮」旅行に誘われる

2018年、秋の紅葉の深い11月下旬頃、私はかつての旅仲間から一通のメールを受け取った。

「よっしー(私のこと)、来年のゴールデンウィーク、北朝鮮いきません? 僕の知り合いが北朝鮮旅行を企画していて、ツアーに参加する人を探しているんです。」

私は、2014年に一度「北朝鮮」こと朝鮮民主主義人民共和国への渡航を計画したことがある。 

当時ネットで見た記事に衝撃を受けたのがきっかけで「北朝鮮」を実際に見てみたいと思ったのだった。(その記事とは、もう故人となった飯山一郎という鹿児島の志布志に住んでいた爺さんのホームページのもので 、トンデモ情報の可能性がかなり高いが、「金正恩の母は横田めぐみ」「北朝鮮は満州国、大日本帝国の残置国家」という説は、完全には否定することはできないほど説得力のある。 よかったら一読してみてもらいたい。参照)



しかし、訪朝を計画していたまさにその時期、エボラ出血熱が世界中で流行、そのせいでこの国は国境を閉じてしまいしばらく旅行者を受け入れなくなった。


私は、金も時間もやる気もふんだんにある時に出鼻をくじかれ、その金も別なものに使ってしまい、結局北朝鮮にはいかなかった。 私はこの時期からこの謎の国家への渡航を思い続けていた。


今回私を朝鮮ツアーに誘ってきた友人は市場君といって、約10年も前になるが、2009年の夏、私が世界一周の旅(当時のブログのリンクを貼っておく)をしている途中、中華人民共和国(中国)の四川省の成都(チェンドゥ)の宿で出会い、いっしょにチベットを超えネパールまで抜けた仲だった。 

2014年に朝鮮への渡航を考えていたとき私はこの国に関する記事をFace Bookでよくシェアしていた。 

確かその時に「北朝鮮」を旅したいということも書いていたはずで、市場くんは記事のコメントに、「北朝鮮行くときは一緒に行きましょう」と書いてくれていたのを覚えている。 

そして市場くんは今回、そのことを覚えていてくれていて私をツアーへと誘ったのである。

今回のツアーは計6人での旅だった。

実は、市場君からツアーに誘われた一ヶ月前、私はもう一人の友人と何気なしに、2019年は「北朝鮮」に行こうと計画を立てようとしていたところだった。
 
彼は、私が10年程前バックパッカーをしていたとき、アジア、中東の各地で計10回ほどばったり出会った不思議な縁のあるマサキという男だ。 私は当然、彼にこの北朝鮮ツアーに誘った。 彼はすぐに乗った。 

このツアーの企画者は、市場くんの知り合いであるMさんという女性である。彼女は20年ほど前「北朝鮮」に行ったことがあるという人だ。 


このMさんと、彼女の友達でありシベリア鉄道を2往復したことがあるというFさんという女性(彼女の海外渡航経験はこれのみ!)、そして市場君、私、マサキ氏、そしてツアーの二ヶ月前に急遽ツアーに参加することになった私の友人であり弁護士でマッチョのバックパッカー・ケイスケの計6人が今回の旅のメンバーだ。


つまり、メンバーの殆どは、歴戦の旅人ばかりなのだ。 必ずこの旅は面白いものになる、私は旅の前からそう確信していた。


まず、「北朝鮮」を目指す人には当然すぎる情報ではあるが、この国を旅行するには旅行会社を通してツアーを組まなければならない。


よく「北朝鮮なんて行けるんですか?」などと聞かれるが、ツアーさえ組めば問題なく行ける。 


しかし、ガイドという監視役(?)のような人付きで。 

自由旅行はできないのである。

今はこの国の憲法からは「共産主義」という規定は外されているようだが、「北朝鮮」こと「朝鮮民主主義人民共和国」はソ連の後押しを受けて建国された「共産主義国」だった。 

「共産主義」を標榜していた頃と今も体制のあり方としては大差はないはずだが、この国はその頃から自由がないというのが常識として知られている。


今回は、企画者のMさんが、渡航までの旅行者とのやりとりを全て担当してくれた。 


私たちが利用した旅行会社は東京は上野にある中外旅行社という会社だ。

朝鮮側の都合で、ツアー内容やフライトや電車の日にちや時間がコロコロ変わったり色々と紆余曲折があったが、「北朝鮮」への入国は、2019年5月1日(令和の初日!!)、中国の瀋陽から朝鮮の首都平壌まで飛ぶ、高麗航空という「北朝鮮」の国営会社の飛行機で入ることが決まった。

続く

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