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足半(あしなか)の効用➁

さて、続きから。


先にも書きましたが、私はこの足半を履いて、山を歩きました。


私の住む福岡市から近い、かつての霊峰・宝満山です。  


太宰府天満宮の鬼門に位置する山で、麓の竈門神社は太宰府天満宮の鬼門封じのために作られたとかいう話もあります。 


最近はここが鬼滅の刃の何ちゃらになったということで有名になり、参拝客が増えたそうな(よくわからん😅)


また明治時代の廃仏毀釈までここは修験道が盛んでした。伝教大師最澄はここで唐へ渡る前、安全祈願を願ったということでも知られております。


宝満山は頂上まで普通の足で約2時間かかります。標高は約830m。


ここは福岡では初心者でも程良くキツい山登りが楽しめることで有名で、いつも多くの登山者でにぎわっております。

令和四年の九月某日、私はこの足半(あしなか)で宝満山を歩き、頂上でテントを張り一泊してから後、篠栗の若杉山まで10数キロの尾根を縦走しました。  


このように、福岡市内からバッグに足半を引っ掛けていたのは、都会の人からしたら変な人に見えたことでしょうね(笑)

太宰府天満宮でお参りを済ましたあと、バスに乗って竈門神社入り口までやってきました。


竈門神社でもお参りをしてから、足半に履き替え、舗装されていない岩や石がゴロゴロと転がる山道を歩いていきます。

足半を履いて歩いているとすれ違う登山客が声をかけてきて、「何履いてるんですか?草鞋?」という質問をされますので、なかなか前に進みません(笑)。


またしょっちゅう「痛くない?」と聞かれるのですが、全然ですよ。意外と。

足が着地する部分は足半が装着されているところなので、そこで地面を踏んでいる限りは痛くありません。

また足半の台部は滑りにくく、苔(こけ)が生えているところでも滑りにくい。それでも気をつけないと、やはり滑るので気をつければ良いです。

また足半を履くとしっかり地面を噛むようになり足元をよくみるようになるので、挫いたりすることもなく、私的には重い登山靴を履くよりも安全だと感じています。


声かけてくる人の中に「足半」を知っている人にはついぞ出会いませんでしたが、皆興味津々で聞いてきます。

その都度私は、上に記したようなことをトクトクと説明するのですが皆大変関心をもってくれます。

それがこの記事を書こうと思った理由にもなりました。    


足半を履いて歩いていると体内の何かが活性化されたような感覚になって、元気が出てきます。 


足裏には、地面からの刺激を受けて姿勢制御を促すメカノレセプターという感覚受容器官がたくさんあるといいますが、それらが活性化するのだと思います。

また足半で歩いていると気分が明るくなり、頭のもやもやは晴れ、脳が冴えてくるような気さえしますが、裸足に近い状態で地面を歩くことで、アーシング(earthing)できたのもあるでしょう。 

電磁波に囲まれて生きている私たちの身体は常に帯電していますから、裸足に近い状態で歩くことで体内の静電気を放電できたこともあるかもしれません。よくわかりません。


宝満山の頂上のテント場で一泊したあと、次の日も、三郡山〜砥石山〜若杉山と歩きました。

最初は靴を履いていたのですが、やはり足半で歩いてみたい。


三郡山についてから足半(あしなか)に履き替え、尾根をひたすら歩きました。 

ポピュラーな縦走ルートといえど、道なき道を歩かねばなりません。


キャンプ道具も一式あるのでかなり荷物が重い。 そんななか足半(あしなか)を履いて縦走するのはなかなか骨が折れます。だんだん足が痛くなるのですが、何よりも痛いのが鼻緒と足の皮が擦れること。


縦走といえども、意外とアップダウンがあり、 越えては続くアップダウンに辟易します。


とうとう右足の親指の付け根のところの皮が少し剥けてきたことで痛みは頂点に達し、私は足半を脱ぎました。


だいたい砥石山を越えたあたりだったので、三郡山から砥石山までの道約7、8キロくらいを足半(あしなか)で歩いたことになりますでしょうか。


足半を脱いでからはしばらく裸足で歩いていましたが、裸足だとどうしても足裏が痛い。

しかも蛇を何匹か見ました。。裸足は危険だと思いましたね。

途中、いつも履いているビブラム社のファイブフィンガーズに履き替えました。


12時半くらいに、無事に若杉山まで辿り着き、ひと休憩。

奥之院に祀られている弘法大師にお参りをしてから歩いて篠栗駅まで降り、旅は終えました。


足の疲労はもうあれから6日は経とうとする今でもふくらはぎの筋肉痛が残っています。


いきなり足半であんなに歩くんではなかったと少し反省しておりますが、足半はもしかしたら、そもそも長距離歩行には向いていないのかもしれませんよね。


武士は、戦場までわざわざ草鞋を履いてき、そして「戦闘の時にわざわざ履き替えて」いたのですから。


ちなみに、足半(あしなか)が買えるところはそんなに多くありません。

おもしろい「足半屋」さんを見つけたので紹介しておきます。 

またこのサイトに書かれてある足の構造や健康に関する知識はとても勉強になります。

是非一度、足半を手にとって履いてみて、自然とともに暮し逞しく生きていた頃の日本人の叡智をどうか皆さん感じてみてくださいね🙏

では



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