iPad離れとレゴの飛行機
つむぎはiPadが大好きだ。ことあるごとにiPadを持ち出し、You Tubeを見てみたり、幼児用のゲームをやってみたり。食事中のつむぎの前はiPadの定位置となっていた。
iPadはぼくらにとってもちょうどよかった。テレビだと、つむぎでは操作がよくわからないことがたくさんあり「あれやって」「それみたい」「ちがうぅ!」と、指令に沿って親が動く必要がある。
一方iPadは、ほとんど何も教えなくても、二歳児が直感的に動かせるようになっている。さすが世界のAppleだ。
なので、iPadをわたしておけば、ひとりでやってくれるので、親は他のことをやっていられる。「はぁ、助かるわぁ」と、思ってた。
ただ、最近少し度が過ぎてきた。iPadに集中しているつむぎは、ぼくらの声に耳を貸さない。絶対聞こえているのに、聞こえないふり。
「つむ、お風呂入るよ!」
「・・・」
「ほら、ご飯に集中して」
「・・・」
「もう寝る時間だよ」
「・・・」
さすがにこれはよくないよなぁ・・・。幸枝さんと相談して、しばらくつむぎにiPadを使わせないようにすることに。
「つむ、全然お話聞いてくれないならもうiPadを使わせないよ」
「・・・。わかった」
意外にも比較的あっさり承諾するつむぎ。
その日からiPadを使えなくなったつむぎ。もちろん親もつむぎの前ではできる限りスマホをいじらない。つむぎだけダメというのは道理が立たない。
それからもテレビでYou Tubeはやっぱり見ている。ただ、親子で他の遊びをすることも多くなった気がする。最近のお気に入りはLEGOだ。もうデュプロよりLEGOの方が好きなようだ。
ぼくも幸枝さんも、つむぎが喜びそうなものを工夫をこらして作ってみる。
そんな中、工房幸枝から最大のヒット作が生まれた。限られたパーツを上手く組み合わせ、最大限に「らしさ」を追求した飛行機『ダブルX』だ!(いや、なんとかZだったかな?もしくはウイングなんとか・・・)
「うわぁー、すごぉい!」
つむぎ大興奮。夜寝るときはベッドに持ち込み、朝起きたらまず手に取るほどの喜びよう。たくみファクトリーはこの傑作により、工房幸枝に大きく引き離されてしまった。
その日以来、わが家の食卓にはiPadの代わりにLEGOの『ダブルX』(もしくはなんとかZ)が並ぶのでした。
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