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北海道の大規模な農業では農薬による防除は必要だよなぁと思う

なんだか久しぶりな感じがするセンターでの作業。気づくと小麦は完全に色づき、デントコーンは僕の背丈に届く勢いで成長している。一面に咲き誇っていたジャガイモの花はすでに散ってしまった。

今日の作業は、防除。最初はじゃがいもから。遠くから見るじゃがいも畑は、生育旺盛な感じだが、近くで見てみると葉っぱには結構な数の穴が。虫に食われているのだ。殺虫と殺菌を目的に防除に入る。今日撒いたのはZボルドー、モスピランSL、リライアブルの三種類。

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Zボルドーは、塩基性硫酸銅を有効成分とする殺菌剤。毒性の分類は普通物に入るようだ。じゃがいもだと軟腐病は疫病対策で使われる。メーカーのHPによると銅イオンが病原菌内に吸収され、生命維持に必要な別の陽イオンと置換されることで菌体の生理活性を抑制するとのことだ。

モスピランSLは、アセタミプリリドを有効成分とする劇物。アブラムシやテントウムシダマシ、ナストビハムシ防除に使う殺虫剤だ。ネオニコチノイド系の殺虫剤で、昆虫神経のニコチン性アセチルコリン受容体に結合し、神経の興奮とシナプス伝達遮断により殺虫活性を示す。

最後のリライアブルは、フルオピコリドとプロパモカルブ塩酸塩の二成分を組み合わせた殺菌剤。これも疫病対策で用いられる。こちらは浸透移行性の強い農薬だ。フルオピコリドはスペクトリン様タンパク質に作用し、その網目状構造を破壊するらしい。スペクトリンは細胞骨格のタンパク質を刺すようだ。プロパモカルブ塩酸塩は、病原菌の菌糸細胞膜に作用し細胞内容物の漏出を引き起こす効果がある。

じゃがいも畑は、相変わらず道無き道をトラクターで分け入ってこの三剤を撒く

お次はてんさい畑。こちらはグリーンダイセンとトクチオンを撒く。グリーンダイセンはマンゼブを有効成分とする、褐斑病予防の殺菌剤。マンゼブはSH酵素や金属酵素を阻害することにより殺菌活性を示すらしい。トクチオンはプロチオホスを有効成分として持つ殺虫剤。ヨトウムシ、カメノコハムシ、アブラムシ、モグリハナバエ、トビハムシ、ハダニなどの防除に使われる。有機リン系の殺虫剤で、昆虫の中枢神経系のアセチルコリンエステラーゼ活性を阻害する。

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てんさい畑も生育旺盛で、段々と根も太ってきている様子だ。畑の中には防除の効果がわかりやすく出ている場所があった。この畑には電信柱が二本立っており、その裏に防除が届かない場所がある。除草剤が届かなかったその場所には他には見られない雑草が、ここは俺の場所だとしっかりと主張していた。防除後はこの雑草を手で抜いてきれいにすることにした。この広い畑が、全部こんな状況だと手に負えない。やっぱり農薬による防除は今の大規模な農業には必須だなぁと思う。有機農家さんはどうやっているんだろう?

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