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作業台の高さ、実際どれくらいが良いのよ?と論文を調べてみた

先日、とりあえずミニコン3つの高さで作ってみた作業台。僕にとってはまぁまぁ、作業しやすい感じ。ただ、せっかくなので実際にはどのくらいが良いとされているのかを調べてみることにした。

まず見つけたのがこの論文。

ビニルハウス室内の作業性に関する研究 ー栽培作業台高さの違いを評価する被験者実験方法についての検討ー(山田ら、2019)

実験方法の検討をしている研究なので、被験者数は少なめ。この研究の特徴は作業者の主観評価だけでなく、ビニルハウス内で作業する時の生理量や心理量も分析したところにある様子。具体的には作業効率だけでなく、暑さの感じ方、疲労感、作業の許容度についてもアンケートして見たよ、ということらしい。

被験者は身長174cm、177cm、180cmの男性3名。実験の結果、作業効率、疲労度、許容度すべての面で、腰をかがめる高さの55cmと腰の高さの90cmだと、90cmの作業台の方が良かったよということみたい。

また、この論文で引用している研究は、こちら。

立位作業の作業面高に関する実験的研究(茂木ら、2005)

この研究では、立った状態での肘の高さと作業台の高さの差をベースに作業効率を調べている。実験に使った条件は、0cm、10cm、20cm、30cmの4条件。筋電図による筋肉負担を調べると30cmの時に明らかに負担が大きく、ビデオ撮影して作業姿勢を見てみても、30cmの時に前傾になってしまう。最後に、作業のしやすさに関して被験者にアンケートもしている。その結果0、10cmが最も作業しやすく、30cmは一番作業性が悪いという結果だったようだ。

さらに最初の論文の山田さんたちは、葉菜類の高床式栽培においても同様の実験をしている。

葉菜類栽培用温室内の作業性に関する研究-栽培作業台高さが作業効率、全身温冷感、疲労度に与える影響(山田ら、2019)
※リンクの5ページ目から

この時の実験でもやっぱり55cmより、90cmの方が優位に良い結果が得られたようだ。今回はアンケートに追加して代謝量の測定もしてみたらしい。代謝量は暑さ、寒さの感じ方を決める重要なファクターとのこと。その結果代謝量でみてもやっぱり90cmの方が代謝量が低く涼しく感じていることが見て取れた。

うんうん、この3つから言えるのは55cmより90cmのほうが良いよ、しかも立った時に作業台が肘から0〜20cm以内に収まるのがおすすめ!ってことだな。

僕の身長は180cm、測ってみると肘までの高さは113cm。てことは肘高から言うと本当は90cmよりもう少し高いほうが良いのかもしれないなぁ。

そして、もう一つ作業台に関して面白い研究がこちら

キッチンにおける作業のしやすい調理台高さおよび身体的負荷の少ないシンク底高さに関する主観評価実験(吉村ら、2019)

作業しやすい調理台の高さとシンクの深さを研究しましたよ、という実験。身長の異なる男女に対して、高さが可変する実験装置を使ってもらい、その作業性について主観評価している。つまり、アンケート調査。被験者は女性17名、男性23名と結構多め。

この実験の結果では、最も作業しやすい高さ(y)は、対象の身長を(x)とした時に。

y=04.888x+6.392 になるらしい。

僕の場合は94.232cm。ほほー、なるほどやっぱりだいたいこの辺りがおすすめなのね。

この実験ではもう一つ面白いことが書かれている。身長が高い人は作業台が低めなのに許容度が高く、身長が低い人は作業台が高めなのに許容度が高いらしい。

我が家は妻が身長153cm、僕が180cmとかなりの身長差があるが、僕にとっては少し低め、妻にとっては少し高めで良いのかもしれない。まぁ、妻には踏み台を使ってもらえば良いのかもだけど。

ということで、我が家の作業台はだいたい90cmくらいを目安に作ろうかなと思うのだった。ミニコンの高さが35cmだから3つだと高すぎるし2つだと低すぎるなぁ・・・。作るかな。

それにしてもいろんな研究があるものだ。


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