我が家では、レゴは親の発想力を試すもの
夜8時、つむぎのお風呂の時間。
「今日はママと入る!」
少し前までは、この言葉が出ると少しだけ喜んでいた。よし、今日はひとりでお風呂に入れる。いつまでもお風呂で遊んでいたいつむぎと入るのは、長風呂があまり好きでないぼくにはけっこう大変なのだ。
しかし、最近。「今日はママと入る!」に喜んでばかりもいられない。この言葉の後に続きがくるのだ。
「今日はママと入る!ダディはレゴでかっこいい車つくって!」
お風呂の中でレゴ遊びブームが来ているのだ。今日はかっこいい車をつくって届けることが命じられた。
ふぅ、ため息をついて、子供部屋のレゴに向かう。じゃらじゃらと音を立てながらパーツを探し、車を組み立てる。最初の頃はそれほど大変ではなかった。簡単につくった普通の車を渡しても、嬉しそうな顔で受け取ってくれていたのだ。
しかし、つむぎの目は日増しに肥えていった。
いまでは普通の車を持っていこうものなら、
「これじゃない!」
弟子のつくった壺に決して満足しない、気難しい陶芸家の師匠の様に、突っぱねてくるのだ。
なので、頭を捻ってオリジナリティあふれる車作りに取り掛かる。レゴというのは、子どもが自由に形を作れるのが面白いものだと思っていた。現状では親の発想力が問われる課題とかしている。
今日はベースとなる車体の上に城のパーツ、宝箱、線路の枕木をあしらい、後方にはジェットエンジンを取り付けることにした。これで師匠は満足してくれるだろうか?
「はい、つくったよ」
「・・・」
「わぁ、なにこれ、かっこいい!」
今日は満足してくれた。ほっと一息ついて、リビングで餌を待つスピカの方に向かうのだった。
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