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昨年のぼく、グッジョブと思ったらそうでもなかった……、と思ったらやっぱりグッジョブだった1日

トウモロコシの苗がすくすくと成長してきた。
そろそろさつまいもの苗の定植に向けて準備もしなければいけない。
そうなると必要になるのが、とにかく苦手意識のあるあの作業。

「マルチ張り」だ。

さいこうファームではマルチ張りは、向井工業のMR2-120というロータリーマルチャーを使って行う。
この調整がけっこう難しく、うまく調整できていないとすぐにマルチが剥がれてしまったり、マルチの下の畝がスカスカになったりしてしまう。

とにかくこの調整が気が重いのだ。

そして、今年はそもそもマルチャーの土寄せのディスクがひん曲がっているところからスタートしなくてはいけない。
実は昨年、ロータリーマルチャーにトラクターのバケットをぶつけてしまったのだ。

「はぁ、気が重い。トンテントンテンハンマーで叩いて直せしてみるかぁ……」
「拓実くん、自分で適当にやる前に絶対にお隣の農家さんに相談してみるべきだよ!」
幸枝さんの助言。

「うーん、でも。今はみんな忙しい時期だしご迷惑かも……」
ちょっと迷ったけれど、やっぱり相談してみることにした。

土手を乗り越えてお隣の農家さんのお家に。
「すみませーん、実はご相談が……」
「どうしたの?」
「マルチャーの土寄せひん曲がっちゃって。こういうの直すときってやっぱりハンマーで叩くんですかね?」
「あぁ、それでもいいけど。うちのプレス機で直してあげる」

嫌な顔一つせずに、ぱぱぱっと直してくれるお隣さん。
ありがたすぎる!
本当に我が家がここで良かった。

第一関門であったディスクの修理をスーパーマンのお隣さんに直してもらえたので、次の段階に入る。

倉庫の中にロータリーマルチャーをつけたトラクターを入れ、ディスクを付け直す。
「気が重いけどやるか」
スパナとメガネレンチをいくつか用意して、ロータリーマルチャーに対峙する。

そして思い出す。
「そういえば昨年の設定をメモしたファイルを作っていた気がする!」
早速検索。

「おお、これこれ」

感動しながら、スライドをめくる。
「はいはい、さつまいもの設定はこういう感じね。で、トウモロコシはと……。書いてない」

あぁ、どうして去年のぼくはもう一歩前へ踏み出さなかったのか。
呪いの言葉を吐きながら、また思い出す。

「そういえば、ノートにメモってたような……」

家に戻りノートを探す。
あった。
汚い字できちんとメモが残されている。

ノートの数字を見ながらロータリーマルチャーを調整する。
できた。

そして、畑へ。
ドキドキしながらロータリーマルチャーをつけたトラクターを発進。

無事にマルチが張れた!

あぁ、昨年のぼく、やっぱりグッジョブ。
記録を残すって素晴らしい。
そして、お隣の農家さんは素晴らしすぎる。

とりあえずマルチを張れることを確認ができたので、明日以降にジャンジャカマルチを張ろうと心に決めたのだった。

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最後まで読んでいただきありがとうございます。東京から北海道オホーツクの美幌町に新規就農した4人と1匹家族の農業、子育て、おすすめスポットなどをほぼ毎日更新しています。もしよろしければ「スキ」「フォロー」をお願いします!
(登場人物)
ぼく:東京大学で農学博士取得後、ベンチャーで8年勤務。その後、北海道で新規就農。
幸枝さん:ぼくの妻。北海道大学で生命科学修士、ぼくと同じベンチャーで同期入社。2015年に結婚。
つむぎ:4歳の長男。北海道で元気いっぱいに成長中。電車、働く車、飛行機など乗り物大好き。
スピカ:3歳の猫。女の子。網走の病院で保護されていたところからぼくの家にやってくる。
櫂:1歳の次男。長男が騒ぎ回る横で、どっしりと寝ている大物感を漂わせる。

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