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道なきじゃがいも畑にトラクターで分け入る

今日もスカッとした青空。去年感じたオホーツクの夏はこんな感じだった。

朝からトラクターに乗って、じゃがいもの防除に入る。使用する薬は、「アクタラ」と「ゾーベックエンカンディア」。アクタラはチアメトキサムを有効成分とする、ネオニコチノイド系の殺虫剤。昆虫中枢神経系のニコン性アセチルコリン受容体に作用する。植物に吸収されると、全体に運ばれる浸透移行性を持っている。ゾーベックエンカンディアは疫病、べと病に対する防除効果を持ち、こちらも浸透移行性。有効成分はオキサチアピプロリンとファモキサドン。オキサチアピプロリンは植物体内における菌糸の伸長抑制、胞子形成阻害、遊走子の関節発芽阻害、遊走子の放出や運動性の阻害等の効果を示す。ファモキサドンは病原菌のミトコンドリア内にある電子伝達系を阻害する。この二剤をスプレーヤー内で混和し、じゃがいも畑へ。じゃがいもはすでに大きく成長し、トラクターが踏み入れる場所なんて無いように見える。それでも前回防除した時に通った通路が、薄っすらとじゃがいもの生育の違いで見えてくる。その通路を頼りにゆっくりとトラクターを踏み入れる。きれいに茂った畑の上をトラクターで走るのはいつも気持ちがいい。

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じゃがいもの次は、大正金時豆の防除だ。「カスミンボルドー」と「ペイオフME」を使う。カスミンボルドーの有効成分はカスガマイシン。梅沢浜夫さんらが奈良県の春日大社の土壌サンプル中から発見した放線菌由来の抗生物質だ。春日大社だからカスガマイシン。面白い名前の付け方だ。リボソームの30Sサブユニットに接合し、タンパク質の生合成を阻害することで殺菌効果を示す。ペイオフMEの有効成分はフルシトリネート。ピレスロイド系の殺虫剤で昆虫の神経系に作用する。大正金時はまだそこまで大きくないので畝間はよく見える。ただ、防除に使っているクボタのタイヤ幅と大正金時の畝幅はあっていない。そのため、もったいないけど一列分の大正金時は踏み潰しながら走っていく。今回はもともとそのつもりでまいていたので予定通りではあるけど、なんかもったいないなぁ。畝幅と防除トラクターのタイヤ幅が違う時は防除通路を作らないといけないんだなと、改めて学ぶ。

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その後は機械を洗ったり、除草残渣を拾い集めたり。夏のオホーツクの空の下でのんびり作業をして過ごした。小麦はだいぶいい感じに色づいてきた。

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