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偏差値50の中学受験 親としての振り返り

2月1日、中学受験がスタートし、そして終わりました。2月1日午前に受けた第一志望に無事に合格し、即日終了という最高の結果となりました。

この記事は偏差値がだいたい真ん中らへんだった子供の中学受験の振り返りです。決して、偏差値50『から』の栄冠の物語ではありません。中学受験をする平均的な子供の話ですが、当然ながら平均的な子供こそ一番多いボリュームゾーンですので、これから中学受験を目指す方の家庭での学習のあり方の参考になれば幸いです。

ちなみに偏差値って不思議な数値で、平均点に近いほど多くの人数がいるというキレイな成績の分布だとすると、受験生の半分が偏差値50±6くらいの範囲に収まってしまうんですよね。

親の受験歴

はじめに話しておきますと、この文章を書いている受験生の父親は30年前に中学受験を経験しました。ですので、子供を中学受験させるにあたって自分の経験が大いに役立ちました。とはいえ、子供の目線と親の目線では見えてくるものも違いますし、30年前と今とでは世間の様子も違いますから、過去の成功体験をあまり絶対視しないということに注意しました。

中学受験の動機

子供が中学受験を志したきっかけは学校の授業がつまらなくなってきたらです。これは僕自身も小学生時代に感じていたことですが、高学年になってくると同級生の間でも学習理解度に差が出てきてしまう上に義務教育では落ちこぼれを作らないことも重要ですから、どうしても成績の良い子供にとっては理解できない子を待つ退屈な時間の多い授業になってしまいます。

ですから、親としては進学塾に通う以上は当然私立中学の合格を目指してほしいとは思っていましたが、それは支出に見合った成果を期待するでも、子供にエリートの道を歩ませたいわけでもなく、何より子供に退屈な中学3年間という失望を与えたくないという思いが強かったです。

入塾と成績

子供の習い事の関係で塾に通いだしたのは5年生の夏期講習からでした。当然、この時は学力が一番下のクラスです。この時点では親子ともに始めたのが遅いんだから最初は順位が低くて当たり前、ここから成績を上げていけば良いと気楽に考えていました。

2学期の本科が始まると1つ上のクラスに上がりました。そのクラスの中で公開模試での成績の順位を上げていき3学期にはクラスで5位以内、得意科目手では1位を確保するようになりました。ここまでは本当に順調だったんです。このままいけば、6年生の夏休みくらいには最上位クラスまで上がれるのではないかという期待もありました。

停滞と苦悩

ところが、3月になると想定外の事態となりました。緊急事態宣言で学校も塾も休みになってしまったのです。授業は全てオンライン形式となりました。これで、子供の学力が完全に伸び悩みます。ここにきて、受験勉強の開始時期の遅さが影響してきました。家庭で自律的に学習する習慣がないのです。宿題も提出する必要がないから、やったふりをして隠していました。

こうなれば成績はどんどん落ちていきます。本人は本人なりに頑張ってはいるのですが、もっと頑張っている子と比較すれば学習量が全く足りていないということは明白でした。とはいえ、両親ともに仕事をしている身ですから子供の学習にずっと付き添うことはできません。

塾での授業が再開しても一度崩れたリズムは元に戻りませんでした。成績はずるずると下降線をたどり続け、偏差値も40台前半にまで落ち込んでいってしまいました。

もう1つ、例年であれば6年生の1学期から学校見学などが始まり、子供も進学に対して具体的なイメージを描いて、明確な目標を持つことができるのですが、昨年はコロナの影響で学校説明会の多くがオンラインでの開催となり、どうしてもネットごしでは学校の雰囲気を体感することが出来ず、子供にとって私立中学がどういったものなのかイメージしづらい状況でした。

1学期が終わる頃には、成績が下降していくことに子供も精神的に追い込まれてしまいました。このまま無理に学習をさせていても事態は好転しないと思い、夏休み前の1週間は塾を休んで好き勝手に遊んだり、テレビを見たりして過ごしました。それで受験をやめたくなったら、それはそれで仕方の無いことと感じていました。それでも夏期講習が始まったら、再びやる気を出して塾に通うことを本人が決意してくれました。

志望校選び

夏休み期間に、親としてやるべきことは志望校選びです。6年生の2学期になれば過去問にも取り掛かり始めるので、それまでにしっかりと志望校を決めておかなければなりませんでした。

この志望校選びには僕の個人的な経験を強く反映させました。それは偏差値で選ばないという事です。僕は基本的に楽をしたい人間なので、早い段階で志望校を大学受験の無い付属校に決めていましたが、知らない間に大手の御三家向けのクラスへの転塾テストを受けさせられていて、気が付いたら電車に乗って遠くの塾へ通う話になっていました。僕には、入学したら最後、東大合格に向けて再度受験勉強をさせられる学校なんて地獄でしかありません。本気で怒って泣き叫んで転塾を拒否した記憶があります。

ですので、どうしても偏差値の高い学校を良い学校と思いこんでしまいがちになりますが、そんなことよりも子供にあった学校を選ぶことを重視しました。とはいえ、もちろん偏差値の高すぎる学校は子供の学力から考えて負担が大きすぎるので「足切り」する材料とはしましたが。

結局、偏差値って「その試験での合格率80%の偏差値」でしかなくて、学校そのものの評価とはあまり関係が無いんですよね。例えば、品川女子は2月1日の午前が偏差値48、午後は偏差値56と同じ学校でも試験によって偏差値が大きく変わるんですね。そうなると、別の学校と比べたときに1日午前では三田国際の方が偏差値が高く、午後は品川女子の方が高いという現象になります。なので、あんまり偏差値にこだわることに意味はないかなというのが正直な気持ちです。

実際の学校選びに一番重視したのはクラブ活動です。僕自身が中高一貫校で過ごした中で今でも一番長い付き合いなのは同じ部活動だった連中です。彼らと中高6年間で過ごした思い出は僕にとって大切なものです。結局、クラスは毎年変わりますし、そこに自分と本当に仲良くなれる友達がいるとも限りません。そんな時に部活動であれば好きなものを共有できる友人と6年間過ごすことが出来ますし、先輩・後輩の関係も経験できます。子供は運動好きではなかったので、特に文化部が充実している学校を選びました。

次に立地です。これも僕の経験が反映されているのですが、都心の学校に子だわりました。ここは家庭によって志向が分かれるところかと思います。僕自身が都会の学校に通って、放課後はあちこちの繁華街で遊び歩いた事がとても楽しかったので子供にも、それを体験してもらいたいと考えています。せっかく、都心に通える場所に住んでいるのだから、放課後に六本木にいったり、渋谷で遊んだり、表参道で買い物したりしてほしいものです。

2学期になると細々とですが学校見学も解禁になりましたので、そうやって絞り込んだ学校の中から幾つかピックアップして、実際に学校訪問をして志望校を決定していきました。

やはり、志望校が決まると良いですね。子供にとっても具体的な目標が出来たことでやる気が高まり、1学期に落ち込んだ成績を元に戻すことができました。後は志望校合格に向けて着実に可能性を上げていくだけです。

家庭学習の在り方

ここまで中学受験に向けた学習は塾にお任せの状況でした。親としては宿題のチェックおよび雷くらいで学習内容については一切言及しませんでした。これは何かポリシーがあったとかではなく、単純に共働きでとてもじゃないけど学習内容まで目が行き届かなかっただけでした。

まあ中学受験において保護者の過度な介入はリスク要因でしかないのは『二月の勝者』を見ても明らかですから。

ただ、2学期の学習が終わった段階で塾任せのモードは終了し、父親による個人指導を並行してスタートしました。というのも、やはり塾での集団学習では個人個人の苦手分野の克服までは手が回りません。そのため家庭教師や個人指導で補うことも今では中学受験で一般的です。我が家では幸いにして他所にお金を払わずとも父親が苦手分野の個別指導が出来たためです。

というわけで、受験までの残り1か月ちょっと、親としてどういった行動をとったのか以下にまとめていますので、ご興味ある方は引き続き御覧ください。

・願書提出と受験スケジュール
・親による学習指導の基本方針
・冬休みやったこと
・1月上旬にやったこと
・2週間前にやったこと
・1週間前にやったこと
・直前の週末にやったこと


願書提出と受験スケジュール

冬休みが明けると願書提出が始まりました。今ではインターネットのおかげで前日深夜まで願書を受け付けてくれる学校が多く、また試験結果も当日中に発表されますから、当日の試験結果を受けて翌日の願書を提出するという高度な戦略を取ることもできます。

ただ、我が家ではそんな高度な戦略はとらず、最初からスケジュールを確定して試験に臨みました。理由は簡単で、そんな複雑なことをして管理しきれなくなったら怖いからです。願書提出にもたついて期限が切れた、当日行先を間違えた、時間を間違えた。そんなリスクを取るよりもスケジュールを確実にして混乱なく望むことを優先しました。

また、最終的に願書を提出したのは2校だけです。現在は多くの学校で複数回の受験が出来ます。ですので、であるならば受験校を増やすよりも同じ学校を複数回受験するほうが、過去問対策の面で効率的と判断したためです。前述したとおり、過去問対策に共通性がある、といった受験対策で学校を選んでいませんから、過去問対策で破たんしないようにしました。

受験校を絞って複数回受験することにしたのは、もう2つ理由があります。1つは交通や学校の雰囲気に慣れることができること。毎日異なる場所へ行っていては、大人でも精神的に疲れますから。場所に慣れることでリラックスして試験に臨めると考えました。

そして、最後に適度な休息を入れられるからです。現在の中学受験は午前・午後それぞれの試験がありますので、予定を詰め込もうと思えば、1週間で10校の試験を受けることができます。でも、4教科受験するだけで相当疲れますよね。それを午前・午後の2回受ければヘトヘトになると思います。親としていは予定を埋めれば埋めるほど合格のチャンスは増えるように感じてしまいますが、志望度合いの低い学校の試験で疲れてしまって第一志望で力を発揮できなければ、子供にとっては悔いの残る結果となると危惧しました。

試験日程面では、とにかく2月1日の午前に第一志望を受けて、ここで確実に合格させることを意識しました。なぜなら2月1日午前は各校とも一番募集人員が多い一方で受験人数が多くないからです。一番倍率が低いのです。これは勝手な推測ですが、1日午前はみんな第一志望を受けます。偏差値の高い子は難関校へチャンレジする一方で、午後や2日以降はに滑り止めとして受験してくると見ています。だから偏差値50近辺の学校って、1日の午前と午後で偏差値が大きく違うんですよ。

ということは、例えば1日午後などは本来であれば合格できる成績であっても、より上位の成績の人に合格が出てしまった不合格になる可能性が大いにあります。そして、その上位の人が本命に合格して補欠合格の枠以上に入学辞退して定員に空きが出たとしても不合格になってしまうと可能性は無くなってしまうんですよね。だから、とにかく2月1日の午前を決戦と決めました。

そうなると受験までの取り組みはシンプルになります。受験当日の朝にいかにリラックスして受験に臨めるかのコントロールということになります。ただ、もちろん、そのためには実力が発揮できれば合格できるという自信を子供が持つことも重要な要素です。

親による学習指導の基本方針

子供が冬休みに入るのにあわせて親も休みをとり、朝から冬期講習が始まるまで家庭教師モードです。ただ、その際には子供に混乱をきたさないように以下の方針を徹底しました。

まず、学校や塾で教えている解き方、考え方を絶対に否定しないこと。親の考える「もっと効率的な解き方」は絶対に教えないこと、です。子供たちは長ければ3年以上塾でさまざまな学習をしてきています。直前になって親が違うことを言い出せば、子供が混乱するのが目に見えています。ある問題の解き方を、塾でどう習ったのか子供に確認する、子供がわからなければ問題の解答を見る、塾のテキストを読む、として、とにかく塾での解き方と同じ方法で解く事を徹底しました。ここには僕自身が中学受験をしてきた経験が生きました。以外と覚えているものですね。

この解き方問題は特に算数に顕著に表れます。僕が中学受験をしていた時から「方程式を学んだ子供は落ちる」というのがアンチパターンとして知れ渡っていました。これは親の立場で算数の問題を見てみて納得がいきました。算数の問題は、問題文からどの解法で解くかを気づけるかどうかを見ています。それには、子供の頭の中に解法がきちんと入っていること、そして解法の理屈が分かっていることが重要になります。偏差値50くらいの学校でも複数の解法を組み合わせて問題を解く事を要求してきます。ですから、中途半端に、ある問題の解法を別の方法で教えてしまい、その理屈を子供が理解していないと、他の解法と組み合わせて考えることができなくなってしまうのです。

一方で、僕が苦労したのが社会です。僕自身が史学科卒業であることに加え、30年前とはデータが大きく異なっているからです。ですので、歴史の問題については、僕が中学受験で習ったことは古い学説として否定され、大学院で習ったことは新しすぎて学習要領に反映されていない、というものが多くりました。一番知っているがために、都度確認をしなければならなくなりました。地理の問題でも同じです。今やソ連と東ドイツもベルリンの壁もないんですよね。オゾンホールや赤潮も重要な環境問題ではなくなっています。そして、SDGsや人権問題などは受験勉強のみならず学校教育でも詳しく学習しています。子供の方がよっぽど詳しいです。

冬休みにやったこと

ここからは時期別の具体的な家庭学習の内容です。冬休みには、とにかく弱点を洗い出しをしました。弱点の洗い出しには以下のチェックシリーズを活用しました。それまでは、社会は得意で算数は苦手といったレベルでしか親も本人も把握していなかったところを、詳細な単元別に詳しく確認したのです。最初にチェックしたときは絶望的でした。親が感じていた以上に子供の知識があいまいでした。いかにあいまいなままにテストで偶然正解できていたかを知って驚愕しました。正直、これは無理かもしれないと半分諦めました。

というわけで、なずはとにかく苦手分野を克服するということを目標にしました。最初にチェックしたときには、苦手分野はほぼ全滅というありさまでした。学校説明会や過去問には、その学校がどの単元から良く問題を出すか掲載されていますが、この段階で主題範囲に絞って学習してしまうと、ヤマが外れた場合に一点も取れないリスクがあります。ですから、どんな単元でも安定して7割は正解できるようにすることを目標に苦手の単元の問題を繰り返し解くようにしました。

あわせて、毎朝四則演算と逆算の基本的な計算ドリルをやりました。計算は算数だけでなく理科にも使われます。基本的な計算での計算ミスは致命的です。初日の結果は絶望でした。計算がわからないのではないのです、字が小さくて汚いから、自分で書いた数字を読み間違えていたのです。ですから、字を大きくかく、丁寧に書くということを徹底させました。ただ、それだけでドリルの成果率が半分未満から7割くらいまで上昇しました。

慣れてきたら、時間制限をかけました。本番のテストでは時間切れへの焦りが計算ミスを呼び込みます。結果として間に合わなかったとしても、制限時間の中で答えまで出す、という緊張感になれてもらうためです。ですから10分で解くと目標設定はしても、タイマー等はならさずに終わってから、今は何分だったと話すようにしました。だいじなのはスピードと緊張への慣れであって時間切れで手を止めさせることではないですから。

時間があるときには過去問にも取り組みましたが、この時点でも過去問はあまり使いませんでした。理由は簡単で、問題を覚えてしまないためです。問題を覚えてしまっては、本当の意味で学力があがっているか測定できなくなってしまいますから。それに塾で重要な過去問は取り組んでいてくれますからね。これ忘れがちなんですけど、子供は毎日塾でも学習してきているんですよね。塾でやってくれることを家庭でやる必要はないですね。だから漢字の書き取りも家庭では一切やりませんでした。

とにかく、この時期は「何がわからないのか明確にする」ということを本人にも理解させて徹底しました。だから、正解することは重要ではないですし、間違えることが悪いことでもありません。間違えたところの理由を確認し、解き方を理解させることが一番大切です。

とはいえ4教科全部を五月雨にやっていては大変です。幸いなことに、冬期講習中3回あった振り返りテストは事前に単元が開示されていましたので、直近のテスト範囲を振り返るというやり方で優先度が付けられました。冬期講習が終わり、3回のテスト全ての教科で7割以上の正解をたたき出してくれたことで、なんとか合格への希望が見えてきました。

1月上旬にやったこと

1月になって学校が再開しました。これによって家庭学習の時間は削られ、より効率的な学習をする必要に迫られました。毎朝通学にの計算ドリルをこなし、塾から帰ってから弱点の克服を行うようにしました。

弱点の克服においては、問題に目を通して知っている、解き方のわかる問題は目で問題を追うだけにして回答を書かないという方向にしました。分かっている問題を書く時間を省略することで、わからない問題に時間をかけられるようにするためです。

分からない問題を振り返るときに注意するのは、解答を確認しただけで終わりにしないということです。特に知識系の問題は回答を見れば、その場は覚えた気がするのですが後で忘れます。ですから知識系の問題を間違えた時は正解について親から説明することで単に知識だけではなく経験としても記憶させるとともに、説明内容を自分でノートにまとめさせるようにしました。例えば歴史上の出来事には一連の流れがありますが、子供は単語と意味を覚えるので精一杯で流れが非常にあいまいでした。そうすると間違えようのない問題で間違えるんですよね。「日本が国際連盟を脱退したのは、満州事変を批判されたから」という流れを知っていれば、国連脱退と満州事変の前後関係を間違えることはありませんね。

塾の授業の無い日には過去問をやらせましたが、この時はだいたい5割~7割程度の正解でした。本番のテストでは7割取れればトップ合格となるのですが、それはあくまで本番という緊張感の中での話。過去問であるなら9割前後は取っておきたいところでしたので、残り2週間でいかに完成させるか危機感でいっぱいでした。

ちなみに塾の自習室はほとんど利用しませんでした。なぜなら自習室での学習時間のほとんどノートへの落書きだったことが判明したからです。親の目が届かないとさぼってしまう子には自習室はあまり向かないかと思います。

2週間前にやったこと

受験2週間前から学校は休みました。理由は2つ。感染症予防と受験勉強です。この頃になると、毎日の計算ドリルの効果もあって安易な計算ミスがなくなりましたので、計算ドリルは終了にしました。かわって過去問対策に力点を置きました。

午前中は本番と同じ時間割で4教科の過去問を解きました。これは過去問の理解もさることながら、本番と同じスピード感と疲労感を味わうことを意識しました。ここからは学力の強化とあわせて本番試験への適応を始めていきました。

また、このころには記憶・理解があいまいだった単元というものは無くなり、ほぼ正解できる単元か、苦手な単元かに分かれました。ですので、なおさら苦手な単元に絞って家庭学習をすることが出来ました。算数の場合の数、社会の近代史です。最終的には過去問で全教科8割以上の正解を出せるようになり、塾でのテストでも100点を取れるようになりました。ここで初めて合格の手ごたえを感じました。

1週間前にやったこと

直前1週間は学力向上よりもメンタルコンディションの調整を重視しました。前週と同じように午前中に過去問に取り組むものの、もはや全教科で9割以上の正解となり、誤答が1問~2問という状況となりました。試験時間が足りなくなることもありません。

午後は上述のメモリーチェックを使っての自分での振り返りと、気になるポイントのノート作成をしました。何を振り返るかは本人に任せ、さぼっていても目をつぶり、とにかくリラックスして勉強できることを心がけ、危機感を煽るようこともしませんでした。「実力が出せれば合格できる」という自信を付けさせることを重視しました。

あと、当然ながら基礎的な問題は解けるようになったから応用問題をやってみよう、ということはやりませんでした。志望校が決まっている以上、試験に出てこないような難問にチャレンジする必要性も無いですし、それによって解けた問題が解けなくなるのも怖いですから。もう偏差値も難関校も関係ありません。ただただ志望校に合格することだけです。

・直前の週末にやったこと

直前の土曜日には塾でリモート壮行会がありましたが、それだけです。あとは家でリラックスして過ごしました。さすがに直前になれば親が何も言わなくても、自分で復習を行います。とにかく余計な緊張感を持たせないことだけ考えました。

前日の日曜日は当日と同じ時間に置き、同じ時間に家を出て駅まで歩きました。子供は大人に比べて経験が少ないですから、もしかしたら2月の早朝がどれだけ寒いかを知らないかもしれまんせ。朝の暗さや寒さを一度でも知っておけば、当日朝の緊張感を減ると思います。

そのまま家の近所を散歩して、試験開始時刻の15分前に帰宅し、当日と同じ時間割で過去問をやりました。この時は部屋はガンガンに暖房を入れてあります。これも、冷え切った外と暑すぎる部屋との気温差であったり、それが及ぼす体調への影響を事前に少しで経験しておけるようにと考えてのことです。暑さで頭がぼーっとして集中できないということがあるかもしれません。また、部屋に入った時は体が冷え切っていますが、試験の始まる頃には温まるから心配しなくて大丈夫という経験も知ってほしかったです。

という準備を終えて、前日の夜は21時には就寝し、あとは当日の試験で子供がどれだけ実力を発揮してくれるか、ドキドキしながら過ごすだけとなりました。

ここまで長文を読んでいただきありがとうございました。12月に入ってからは親にも精神的に大変な中学受験でしたが、無事に後超えることができました。これを読んでいる方の受験も成功できることを祈っています。

あまりにもリアルすぎて去年の夏ぐらいから読めなくなっていた『二月の勝者』を今は「あ~、あるある~」と楽しく読んでいます。


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