セレンディピティ(偶発性)を味方につける

セレンディピティ(serendipity)という言葉の意味をご存知でしょうか?

間髪入れずにwikipediaから引用します。

セレンディピティ(英語: serendipity)とは、素敵な偶然に出会ったり、予想外のものを発見すること。また、何かを探しているときに、探しているものとは別の価値があるものを偶然見つけること。平たく言うと、ふとした偶然をきっかけに、幸運をつかみ取ることである。

前回以下の記事にて、情報の増大について述べました。そして同時に自らだけではすべての情報を網羅し、判断することは難しいこと、信頼できる誰かの力を借りて最高の結果を得ることが重要になるのではないか、ということを書きました。

今回は、それではどうやってその中で「信頼できる誰かの力を借りる」ことができるのか?を考えていきたいと思います。

信頼できる誰かを見つけるために

すごく遠いところから始めるのですが、人間は今自分が持っているものを大事なものだと思ってしまう、という癖があると言われています。

例えば長年使っているバスタオル。いい具合の風合いになってお気に入りかもしれません。

でも、それを新品のバスタオルと同じだけのお金を払って買いたいでしょうか?多分答えはだいたいNOになるはず。しかし、私達はずっと使っているバスタオルを大事に大事に使うのです。

もしかしたら新品のバスタオルに変えたほうがすっきり気持ち良いかもしれないけれども、変更すること自体にコストを感じてしまう(もちろん現実のコストもあるのですが)のです。これをサンクコスト(埋没コスト)と言います。ビジネスではサンクコストを認識することは大事だ、などとよく言われます。

さて、人間関係でも同じことがあるのではないでしょうか。信頼できる誰か、それはどこにいるのでしょうか。今自分の周囲にいる人?それとも周囲にいない人?

よほどのことがない限り、自分の周囲にいない人の方の中に信頼できる人が要る可能性が高いです。なぜなら、すでに出会ってきた人達の数と、今まだ会っていない人の数では後者のほうが圧倒的に多いから。(友達が36億人いる人はもう増やさなくていいと思います)

おっと、誤解しないでください。「今まで出会ってきた人よりも他の人達の方がいいかもしれないから出会った人たちのことはおざなりにして新たな出会いを求めにいこう」という記事ではありません。

私が提案したいのは以下の2点です。

・既存のものについてはサンクコストの認識
・新たな出会いを探しに行くこと(セレンディピティの有効活用)

・既存のものについてはサンクコストの認識

今自分が持っているものも過去の出会い、セレンディピティの賜物です。しかし、長年持っていることで価値がわからなくなっていることがあるかもしれない。そこでサンクコストを割り引いて上げて判断すべきではないか、という提言です。

過去の素敵な出会いの中、色あせているものがあるはず。

先程の例えで言えば長年使ったバスタオルなのですが、でもやっぱり長年使ったバスタオルの風合いが好き、ということは全然おかしいことではありません。

サンクコストを間引いて上げて、「いや、それでも自分はこのバスタオルを使う」ということを日々認識すること。当然と思っているものの価値を改めて認識することが既存のもの、既存の関係性を大事にすることにつながると思います。

なので、信頼できる誰かを探す第一歩は、

「既存の関係性の中で自分が本当に信頼できる人を考える」

になるのではないでしょうか。

・新たな出会いを探しに行くこと(セレンディピティの有効活用)

そして、既存の関係性だけでは自分の求めるものが満たされない、そんなときには新たな出会いを探しに行くことが必要です。

そしてこれは、ありとあらゆるところに種が落ちているはず。

・趣味のサークルに行ってみる
・オンラインコミュニティに入ってみる
・SNSで誰かに話しかけてみる

なんでもいいのですが、大事なのは「自分が求めるものを認識して行動すること」ではないでしょうか。日々の中でボーッと立っていてもなにも起きません。新たな場に自分の身を置くとともに、その中で自分が見つけたいもの、新たに作りたい関係性を意識することで初めてセレンディピティが最大限に発揮され、幸運にして求める何かを発見できる、そう私は考えます。

まとめ

既存のものも改めて価値を認識してみよう
新たな出会いのためにはバンバン行動しよう。ただ、何が欲しいかはしっかり考えよう

たったこの二点のために2,000文字近くを費やしました。
バスタオルの下りも必要だったかはわかりません。

しかし、今日、まさに今思っていることをガーッと吐き出す経験が出来たことを楽しく思っていますし、本稿は書き直しなしの一発書き、あれもセレンディピティ、これもセレンディピティです。

本稿が何かしらの偶然の出会いを生んでいると良いな、と思い締めさせていただきます。

(了)

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