マガジンのカバー画像

詩やエッセイのようなもの

30
いつか本になるといいなぁ、というやつら。何を含めるか、度々考え直して、加えたり外したりする。
運営しているクリエイター

#エッセイ

幸せの解像度

タワーの上で愛猫がニャーと鳴く。ご飯の時間でもないのに、目が合うと何度もニャーと鳴いてく…

吉田卵白
2か月前
31

雨上がり、美容室に向かう足取りは軽い

雨が好きな人が羨ましい。雨の音が心地良いと感じたり、湿気の香りを楽しんだりできる人は、雨…

吉田卵白
4か月前
22

自分と向き合う、自分を取り戻す

 映画館に向かって二駅分くらい歩いていた。外を歩きながら、何かに恐れていると気付く。ドキ…

吉田卵白
6か月前
65

レースから落ちて

 これまで欲していたものは、誰かが欲していたものだったのかもしれない。誰かが目の前に提示…

100
吉田卵白
7か月前
11

あ、ぼく病人だった

 今、僕は鬱から回復しつつある。発症前みたいには動けないけど、少しずつ体力は戻りつつある…

吉田卵白
7か月前
47

頑張らないことが、私の生存戦略

 色んなところで何度も書いているような気がするけど、私は、「何かマジカルなことに遭遇して…

100
吉田卵白
7か月前
16

粘土

ゴミ袋の底が破れた。道に散らばったゴミを見て、泣きそうになる。僕はこれから大丈夫なのか。また泥のように生活する日々に戻ってしまわないか。戻りたくない。 通勤時、駅に向かう途中、高架下で足を止めそうになったことが何度もある。倦怠感のコートを着て、駅までの道、電車でずっと項垂れていた。小さい空間で上司と二人きりで、詰められるのが怖かった。週末はずっとベッドの上で動けなかった。 夜に窓の外を見て、町中の部屋の明かりを見つめた。あまり友人がいなかったから、「こんなにも生活、労働し

誰に遠慮しているのか

僕は魔法使いでもなんでもない 世界に大きな変化をもたらして、 一瞬で全てが素晴らしく感じる…

吉田卵白
7か月前
15

頭の金色は、好きに生きたい、という小さい記号

天井をボーッと眺める。窓から日の光が差して、白い天井に模様を作っていた。シャンデリアのよ…

吉田卵白
9か月前
27

正論には棘がある。加工して、棘を丸くしないと

正論って、大事。だって正しい主張なんだもの。道理がかなっている、正解なんだもの。問題を解…

吉田卵白
2年前
1

テキトーに生きる

僕は不器用で生きるのが苦手です。真面目なのです。人にも「真面目だね」ってよく言われてきま…

吉田卵白
2年前
1

好きに生きる

今日は歯医者に行く。抜歯するかもしれない。クビになる前に通っていた歯医者だから、クビにな…

吉田卵白
1年前
2

生きることの辛さをそのまま受け止める

「考え過ぎ」と何度か言われたことがある。敏感とか繊細とか、同義語かもしれない。その指摘は…

吉田卵白
1年前
9

僕もあなたも、美しい

僕は一時期、強く変わりたいと思っていた。一年前くらいまで思っていたかもしれない。切実だった。今の状態から抜け出して、別に人間に変わってやるんだ、そう思っていた。 その願いの根底にあったのは劣等感だった。仕事の能力、容姿(フッションや体型)、芸術的センス、知識や頭の良さ、コミュニケーション能力、恋愛など、全てが下手だと自負していた。「あの人はなんであんなにかっこいいのだろう」「僕はなんであの人みたいに賢くないのだろう」と悩んでいた。劣等感をぶち壊したい、新しい自分に変わりたい