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粘土とも。

読んで字のごとく、粘り気のある土です。
土という広義な意味で捉えると、地球を覆う全てであり、人はその上で生まれ育ち、いずれそれに還ります。
人は土によって生かされているのです。
全ての生き物は大地で育まれたものを口にし、今日を生きています。

そんな土の中で粘りがあり、いくらかの単位で固まる。
それが粘土。
たまたま飛んできた種がそこに根を張ろうとすると、伸びる根は土の抵抗を受け、育ちにくくもなるのです。

英単語でclayやsoilなどの言葉を聞きますが、やきもんやとしてはclayがしっくりくるかなと思います。
そんなやきものの源である粘土。
乾かすと砂のようにパラパラに。
けれどいくらかの水を与えると粘り気が出てまとまるという、この柔軟さ。あまり聞きなれないかもしれませんが、形の変えやすさは可塑性と言う言葉が使われています。
一般的に扱いやすい水分量は25%程度と言われますが、作者の好みの固さや作品の大きさ、形により調整したりもします。
画像でご覧の左側は多かった水がまわり、キレてしまったもの。
右側は、形を保っています。
時に、一滴の水が落ちることでダメになることもあるデリケートなもの。
かといって無いと伸びることにも支障がでる。
気温や湿度なども多大な影響を与えます。

良い加減を保って、作りたいものです。

ロクロ成形の際、多少の水を手につけて土に触れると土と水が混ざり合って泥ができます。
日本のロクロはこの泥(ドベと呼ぶ)を手に蓄えながら、潤滑剤として抵抗をあまりかけないようにしながら、作ります。
それに比べ、海外でロクロ成形される方は手の中に水たっぷりのスポンジを持ち、上で絞って水をかけながら挽くような違いがあります。
粘土の質の違いなんでしょうが、海外の土に多いのは、油粘土のような質感で水に強く、長時間触れていても大丈夫なもの。
日本の土は、正直なところ水に弱く、長時間手で触れてしまうと、乾燥したりくたびれやすいように感じます。
どちらも特徴の一つなので、優劣ということはありませんが、扱う土の特長を知り、加減をみることがものづくりの第一歩ですね。
どんなものづくりでも、素材ありきでしょうから。

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