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飲食店勤務経験を活かした店舗目線のプロデューサー 【飲食ネクストキャリア Vol.3】

こんにちは!吉田 柾長です!
本記事は飲食業界に関わる方のキャリアにフォーカスした「飲食ネクストキャリア」の第三弾です。

飲食業界の働き方に関する課題は山ほどありますが、解決に向かっているとは言い難い状況です。
事実、一年で飲食店スタッフの25%が退職しており、70%の飲食店が人手不足というデータもあります。
株式会社Core Driven(吉田の会社)は飲食業界の人材問題を解消すべく、あまり触れられていない「飲食業界のキャリア」に切り込んでいます。

今回は飲食店スタッフからプロデューサーに転身したかねこ まゆさんにお話を伺いました!
かねこさんのように飲食店スタッフとしての経験を活かして飲食店のサポーター側に回っている方は意外と少ないです。
Core Drivenにも飲食店スタッフから多くの相談がありますが、多くの方が実現できない状況にあります。

どのように独立を実現したか深掘りしてみました!

かねこ まゆさん


身体の限界を超えた飲食店1社目

飲食店アルバイトをしながら通ったペット系の専門学校を卒業後、トリマーとして社会人生活をスタートしました。
ペットが好きで働いていましたが学生アルバイト時代に楽しかった接客業が忘れられず退職、飲食店に社員として転職しました。

1店舗目はイタリアンバル。
17:00〜7:00の長時間労働は大変忙しく、店舗に泊まるようなこともありました。
仕込みはもちろんイベントなどの企画も業務のうちです。
ただトリマー時代の「接客したい」というフラストレーションが大きかったこともあり仕事を楽しむことはできました
休みの日も店舗で飲むくらい仕事が大好きでした。


楽しみながらも激務をこなす中、ついにクリスマスシーズンのピーク時に体調を崩してしまいます。
床に落ちた物を拾ったタイミングで気を失ってしまいました。
繁忙期に休んでしまったこともあり復帰しにくく…
そのまま勤務時間が短い企業に転職することになりました。


店舗責任者まで昇進した2社目からマーケティング会社へ

転職後の会社では最終的に店舗責任者や販促物の制作担当を任せてもらえました。

とくに販促物の制作は、普段の営業でお客様の反応や売上の変化をリアルタイムで体感でき、とてもやりがいを感じていました。
仕事自体は好きだったものの、昇進のチャンスが少ない飲食業界でこのまま一生その仕事を続けるイメージがつかず、「自分にしかできない仕事をやりたい」と考えはじめました。

次の仕事を検討する上でヒントになったのは販促物の制作経験でした。
一社目でも二社目でも季節限定メニューやイベントなどの看板やPOP作成を経験。
その業務を特に楽しめた理由は「結果がすぐ見える」ことです。
看板を見て来店はあったか、POPを見て注文は入ったか…ダイレクトに反応が見えることを楽しんでいました

人と接すること、結果がすぐ見えることの2つの軸から選んだ仕事がマーケティングです。
転職先を探す中でピンときた食品メーカーに強い広告代理店に働かせてほしいとダメ元で嘆願して内定を獲得。


コロナ禍で何ができるか模索したことが独立のきっかけ

マーケティング会社は勉強になることばかりでしたが、入社直後に始まったコロナ禍をきっかけに入社してすぐ辞めることになります。

クライアントに挨拶回りに行く機会もなく在宅勤務が始まり、オフラインで人と接することができなくなってしまいました。
また、コロナ禍で厳しい状況下にある飲食店のために何かやりたい気持ちも次第に強くなります。

自分のできることから始めようと、Instagramで飲食店で頑張る人を応援するアカウントを始めました。

店舗やテイクアウトの情報も発信して応援、お金はもらわず「コロナが終わったらいつか依頼してくれたら嬉しいな」という長い目で活動。

次第に会社に所属せず自分自身で挑戦したい気持ちが強くなっていきマーケティング会社を退職することに。


独立してすぐはとにかく自分の売り込みをしました。
応援したいから安く対応するだけでなく、無料で対応することもたびたび。

飲食店勤務時代に磨いたPOPや看板、メニュー表作成の経験を活かして販促物の制作をしました。

中でも橋本駅内に掲示された商店街のテイクアウトマップは先方から「お金を払う」と言っていただき“活動”が“お仕事”につながるきっかけでした。

とにかく名前を売ること、実績をつくることに注力。

負けず嫌いの性格も相まって、飛び込んだ別の世界で失敗したくない気持ちもありました。

とにかく飲食店に飛び込む日々でした。


手探りで始めたデザインを起点に店舗目線で幅広くサポート

まずは自分にできることから始めました。

ちなみに私は美大やデザインスクールに通っておらず、絵のプロではないです。
昔から絵が好きだったわけでもなく、経験を積んだ今も他のデザイナーと比べて特別に優れているとは思いません。
それでもありがたいことにご依頼枠を待って頂ける程、お仕事をいただけています。

自分にしかできない仕事店舗目線のサポートを意識しています。
例えばメニュー表作成の依頼をもらっても、メニュー表を作らず他の施策を提案することもあります。

私が飲食店で働く中で毎日試行錯誤してプロモーションしてきた経験を活かしてクライアントにも同じサポートをしました。

あくまでデザインは入り口ですので、デザイナーというよりはプロモーションのサポーターといったイメージです。


店長経験を活かした飲食店の開業支援

デザインの営業活動をする中で、別の仕事をいただけたこともありました。
横浜にあるパン屋を運営する会社が開業支援をしており、営業をかけたところデザインではなく開業支援を手伝ってほしいと提案が。

飲食を出店する方は飲食未経験の方もおりますが、パン屋は特に未経験の方が多いです。
私が飲食店で働いていた経験を活かし、デザインはもちろんスタッフの動線やプロモーション施策など開店準備に必要な業務を幅広く対応しています。

飲食店を運営していると本当に幅広い対応が必要です。
勤めた会社や頂いてきたご依頼で様々な業務を経験させてもらいました。

その経験を活かしてクライアントの右腕、パートナーという意識でお仕事に取り組んでいます。

デザイン案件のお客様からクレーム対応の相談が来ることもあり、「かねこさんならどうする?」と頼ってもらえることが嬉しいです。


「働くとは」を考えてやりがいを見出した

振り返ってみると、仕事にやりがいを見出せたことで楽しめている今があると思います。

コロナ禍でやりたいことができずモチベーションが無くなっていた時期に「働くとは」に考えを巡らせ、周囲の方に質問していました。
そこで言われた「人のために動くから仕事になる」という言葉が印象に残っています。
“収益”や“成功”は結果であって、人のためになることが仕事になり、それが最終的に自分に返ってきています。

独立前後でお金をもらわずに頑張ったことも全て誰かのためを考えて動いてきました。
それを続けたことで仕事になり、今があります。

これからもそんな気持ちで飲食店のサポーターとして頑張っていきます!

※かねこさんのSNS
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※編集者コメント:飲食店出身者の圧倒的な店舗目線

社員や店長を経験したかねこさんだからこそ、飲食店に寄り添ったサポートができていると感じました。

特に印象的だったのは「あえて特化しないオールラウンダーの強み」

多くのフリーランスが特化しているだけに激しい競争が起きていますが、オールラウンダーの店舗サポーターは多くはいないです。
なぜなら飲食店の運営を熟知していないと難しいから。
いくら優秀なコンサルタントでも飲食店経験がなければできません。
飲食店で働いていたこと自体が強みになるのです。

飲食店運営において直面する業務を幅広く対応できることは、飲食店経験者の戦い方として素晴らしいモデルだと思いました!


今回の記事のように、飲食キャリアのインタビューをさせていただける方を募集しております!
・飲食業界を辞めてこんな仕事をしている
・飲食店で働きながら複業している
・他業種の経験を活かして飲食業で頑張っている
などなど、該当する方がいらっしゃればぜひ吉田へDMお願いいたします!


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