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「この人、自分のこと好きかも」と思ったことがない

最近、違う人からたて続けに「『この人、自分のこと好きかも』と思うと、相手のことを好きになっちゃう」という話を聞いた。

なんとなくわかる。

けれど、実際にそういうことがあったかどうか(例によって左斜め上を見つめながら)記憶の糸をたぐり寄せてみたところ、私にはその経験がないことに気づいた。

私は「この人、自分のこと好きかも」と思ったことがない。

そういう人って、2パターンいると思う。

ひとつめは、単純に「好意的な態度を取られたことがない」パターン

もうひとつは、一般的に好意があるような態度(好意をほのめかす言葉や頻繁な連絡など)を取られても、そう受け取らないパターンだ。

私はたぶん、両方。

そもそも勘違いしてしまうような態度を取られることが少ないし(モテないから)、若い頃は稀に口説かれるようなことがあったけど、「誰に対してもこういう態度の人なんだろうな」と思う。

そこで「相手が自分(だけ)を好き」という思考にならないのだ。

鈍感で気づかないとか、傷つくのが怖いから期待しないよう心がけているとか、理由は人によってさまざまだと思うけど、そういう人ってけっこういるんじゃないだろうか?

友人のAはけっこうな頻度で「あの子、俺のこと好きだと思うんですけど、どう思います?」と聞いてくる。

しかし毎回、私の目からは「あの子」がAに好意を持っているようには見えない。むしろ、「友達としては嫌いじゃないけど、恋愛対象として見てない」ように見える。

でもそんなことを言えるはずもないし、「どうなんだろうね。本当のところは本人にしか分からないから、本人に聞けば?」と言う。

案の定、Aは「あの子」に告白しても振られる。それが、すでに3回起きている。

Aはなぜ、「あの子は俺のことが好き」と勘違いしてしまうのか?

その根拠を聞いてみたことがある。すると、返答は「遊びに誘っても断らなかった」「ボディタッチがあった」など。

え、根拠ってその程度なの……?

遊びに誘って断らないのは、友達なら当たり前のことだろう。私だって、用事がなければAの誘いは断らない。

その程度のことで「俺に惚れてる」認定されるなんて、ぶっちゃけキモい。そんな勘違いリスクがあるなら、男友達の誘いは受けられなくなってしまう。

っていうか、逆の立場ならどうなんだ。Aが私を遊びに誘って、私が「Aは私に惚れてる」と勘違いしたら、Aだって「何言ってんだバーカ」と思うんじゃないだろうか?

また、ボディタッチ=好きという説にも疑問がある。

「ボディタッチが多い女の子」をたくさん見てきたけど、彼女たちは別に、狙っている男性にだけボディタッチをするわけではない。そういう人もいるのだろうけど、私の観測範囲では「ボディタッチが癖になってて、相手が誰であろうが無意識にしてる」子のほうが多い気がする。

実際、Aにボディタッチをしていた女の子は、A以外の人にも同じようにしていた。私だって「サキさ~ん!」と抱きつかれている。

それなのに、なぜAは「自分だけ特別」と思うのだろう?

Aが「ボディタッチによって落ちた」のは、分かる。

けれど、それが「あの子は俺を好き」という発想になるのは、いまいちよく分からない。


もしかしたらこれって、「目に見えている光景をどのくらい希望的にとらえるか」のさじ加減なのかもしれない。

だとしたら「この人、自分のこと好きかも」と思いがちな人のほうが、生きていて楽しいのかも。

期待するとガッカリすることも多いけど、期待している間は楽しい。

希望的観測、ちょっとしてみたいなぁ。


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