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noteを毎日書いてたらメディアで連載できることになった話

もう、タイトルがすべてなのだけど、noteの毎日更新を始めて96日目の朝、執筆依頼のメールを頂いた。

◇◇◇

昨年の12月から、ライターを目指してキュレーションサイトやアフィリエイトの無記名記事を書くようになった。「おすすめの○○3選!」といった記事だ。

書かせて頂けるのはとてもありがたい。だけどいつかは、本当に伝えたいことを書かせてもらえるようになりたい、と思っていた。

しかし、書きたいメディアのライター募集欄には「過去に執筆した記事のURLを添付してください(キュレーションサイト不可」)」とある。キュレーションサイト以外で書いたことがない私は、応募すらできない。いったいどうすれば……と頭を抱えていた。

けれど、noteの毎日更新をするようになってから、いいことを思いついた。

過去に執筆した記事として、noteとキュレーションメディアの両方を送ればいいのでは……?

そうすれば、「春に欠かせない○○。大人気アイテムだけに、人とかぶっちゃうことが気になる女子も多いのではないでしょうか」みたいな文章だけではなく、エッセイ風の文章も書けることをアピールできる。noteを自分のポートフォリオにするのだ。

「楽しいから」という理由で毎日書いていたnoteが、途中からポートフォリオの役割を持った。

◇◇◇

私が書きたいと願うメディアはいくつかあるのだけど、そのひとつはDRESSだ。

書きたい理由は、単純に好きな記事がいっぱいあるから。

田舎の古い一軒家。和室に置かれた机に向かい、コットンのワンピースを着た私がカタカタとキーボードを叩いている。ときおり足元で寝そべる犬をなでながら、開け放った窓から入る風に頬をなでられながら、DRESSの記事を書く。

……そんな自分を妄想してうっとりしていた(子どもの頃から少女漫画を読み続けるとこういう人間になってしまう)。

現実には、私は都内の団地住まいで犬も飼えず、どうしたら1記事に指定された回数のキーワードを入れられるかに腐心している。1500円の記事を書くのに丸一日かかるので、着たいワンピースも買えそうにない。

まぁ、今はしかたない。始めたばかりだもの。だけど、5年後くらいには叶っているといいなぁ。

そんな気持ちで、手帳に「noteの記事がある程度溜まったらダメ元でDRESSに応募する」と書きつけた。なんでも手帳にメモする癖があるのだ。

私はどうにも忘れっぽく、noteが思うように書けない日は「あれ? 仕事でもないのになんで頑張ってるんだっけ?」と思う。

そんなときに手帳を見ると、「あぁ、そうだ。DRESSに応募するんだった」と、目的を思い出した。そしてまた、パソコンに向かう。

◇◇◇

そのうちに、メンタルの調子を本格的に崩してしまった。もともと崩しかけていたけど、自分でも「こんなことある?」と思うくらいに崩れていった。

まず、キュレーションサイトでの仕事ができなくなった。そのサイトは出来高制でノルマはなく、好きなときに好きなテーマを選んで受注するシステムだったので、受注をやめても問題はなかった。

家事もできなくなり、一人では家から出られなくなった。できることがひとつずつ減っていって、1日1記事のnoteだけが残った。

そして、毎日更新を始めて96日目の朝。布団の中でもぞもぞとスマホを見ると、ホーム画面に受信メールのタイトルが表示されている。

〔執筆依頼のご連絡〕

見た瞬間、動悸がした。一気に血圧が上がる。慌ててそのメールを開いて、顔が熱くなった。

それは、DRESS編集部からのメールだった。

結論からいうと、私はDRESSで不定期連載させていただくことになった。

◇◇◇

はじめて編集の方とビデオ通話で「打ち合わせ」なるものをしたとき、画面のワイプに映る私の顔は真っ赤で、受け答えはトンチンカンだった。

私はあがり症で、知らない人と話すときはだいたいそうなる。画面を介していれば大丈夫だと思い込んでいたが、そんなことはなかった。対面でもビデオ通話でも同じように緊張することがわかり、なんだか面白かった。

文章を書くことにしてもそうだ。自宅で文章を書くのは緊張しないだろうと思っていたのに、DRESSの記事を書いているときは、緊張してキーボードを打つ手が震えた。心臓がバクバクして、手のひらに汗をかく。和牛のDVDを流してストロングゼロを飲み、ようやく平常心を取り戻せた(なにがコットンのワンピースだ! なにが寝そべる犬と爽やかな風だ!)。

そうして書いた記事が、昨日公開された。

公開前には緊張がピークに達し、じっとしていられなくて、近所の神社に行った。

◇◇◇

生きている限り、ハッピーエンドはない。

ハッピーがないんじゃない。エンドがないのだ。

「ただの主婦が手帳に願いを書いたら憧れのメディアで連載できた話」というと、まるでハッピーエンドの物語みたいだけど、私は今スタートラインに立ったところだ。私はこれからも生きていかなきゃいけない。エンドじゃ困る。

この先、締め切りに追われたり、批判されたり、ときには書けなくなったりもするのだろう。

これは決して、ネガティブな想定ではない。そういうことがあったとしても、私はかまわない。これが自分の選んだ道なのだから、しかたないじゃないか。文章を書く仕事がもらえるなら、多少の痛みは受け止めてやる。

どうしたって、書かせてもらえることは幸せなのだ。

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