小屋ガール_連載アイキャッチ

cakesでの連載が始まったこと

26日木曜日の午前10時、cakesで小屋ガール通信の第1話が公開された。

今回は第1話公開の反響について。

◇◇◇

その前日、写真家のワタナベアニさんがcakesで新連載を始められた。

私はそれをnote公式のお知らせ記事で知った。


これを見て、「あ、明日は私がこういう感じで告知してもらえるんだな」と思った。実際に担当のI氏からも上の記事のリンクが送られてきて「noteでもこんな感じで告知します」と言われた。

あと、パソコンでnoteを開いたとき、画面上部の帯のような部分に「写真家のワタナベアニさんがcakesで連載をスタート」といったような告知文が出ていた。

えっ、まさか明日はここに私の名前が……?

ちょっと緊張した。

◇◇◇

話は数日前に遡るが、担当I氏から送られてきた「小屋ガール通信」第1話のプレビュー画面を見たとき、めちゃくちゃ感慨深いものがあった。

まず、夫が描いたアイキャッチのイラストに流麗なタイトル文字が入っている。

おぉ……白雲のようだ……!

自分たち以外の人の手が入っていることを実感する。嬉しい反面、「わ、私のような無名の新人がピースオブケイクのデザイナーさん(の仕事かどうかわからないけどたぶん)の手を煩わせてしまった……!」と恐縮のあまりわなないた。

あと、私の書いた文章がいつも読んでいる「ワイングラスのむこう側」や「メンヘラ・ハッピー・ホーム」、「ハッピーエンドに殺されない」「わざわざ平田の移住日記」と同じレイアウトで表示されていることにもグッときたし、ページの最後で私のnoteを紹介してくださる担当氏の優しさにもグッときた。

エモーショナルを感じやすい気質ゆえ、すぐにグッとくるのだ。

◇◇◇

そして向かえた当日の10時。

cakesで「小屋ガール通信」第1話が公開されてすぐ、パソコンの画面で読んだ。

感動した……と言いたいところだけど、プレビューはすでに確認していたので特に感慨はなかった(一度感じたエモへの耐性よ……)。すぐにTwitterでシェアした。

第1話の公開日時はあらかじめTwitterで告知していたため、フォローしてくださっている方たちの反応も早かった。10時という仕事中の方も多い時間帯にも関わらず、すぐにシェアしてくださる方がたくさんいた。

私は自分の記事を「拡散してください」と言えない。それは読んだ方の自由だと思うからだ。だから拡散をお願いはしなかったのだけど、結果的に多くの方にシェアしていただけた。

公開直後に読んでもらえただけでもありがたいのに、シェアまでしてもらって、なんていうか「こ、こんなにしてもらっていいの……?」という気持ちになった。

嬉しすぎて、ありがたすぎて、戸惑った。


また、ピースオブケイクさんのほうでもプロモーションしてくださった。

まず、note公式のお知らせ記事。

エッセイストって……!

でも、この記事を書いた方の気持ちになると、まぁ、そう書くしかないよなぁ。

「吉玉サキさんの~」だと読者から「誰だよ!」と思われてしまうし、かといって「無職の吉玉サキさんの~」「ライター志望の吉玉サキさんの~」とも書けない。まぁ、ここはエッセイストだよなぁ。私もプロフィールにはったりでそう書いているし。

だけど、「いやぁ、なんだかすみませんねぇ」と照れ笑いした。

また、前日のワタナベアニさん同様に、画面上部の帯のような部分でも告知していただいた。

翌日も表示されていて、すごくドキドキした。

◇◇◇

公開した日はTwitterの通知がたくさん来た。cakes記事がシェアされるとTwitterの通知が来るのだ。

やり取りしたことのない方からもたくさんの反応をいただき、一気にフォロワーが50人くらい増えた。noteのサポートもたくさんいただいた。

わぁ……!

どしどし寄せられる感想のひとつひとつに目を通す。どれもがとても嬉しい。

最初は、すべてに返信していた。

だけど途中で方針を変えた。今は仕事をしなければ。「夕方くらいにまたTwitter見よう」と思い、いったんTwitterから離れた。

だけど、別の原稿を書こうとしてもどうしても集中できない。「小屋ガール通信」の反応が気になって、ソワソワしてしまうのだ。

そんな自分にものすごくイライラした。

◇◇◇

感想で嬉しかったのは、「社会はひとつじゃない。あなたが適応できる社会も必ずどこかにある」というメッセージに勇気をもらった、というもの。

実は、これは書くのに躊躇した。

というのも、私自身がいまだに「社会のどこにも私の居場所なんてないかも……」と思うことがたびたびあるからだ。

かといって、上記のメッセージが嘘ということでもない。山小屋を辞めてからのこの半年、矛盾したふたつの感情の間で絶えず揺れ動いている。

34にもなってそんな不安定な人間が、えらそうに「あなた」に言及していいのか?

それは、「自分探し中の人間が書く自己啓発」では?

と迷ったけど、書いた。矛盾しているけど本心だし、この記事で一番伝えたいことだったからだ。

あと、cakesが有料媒体である以上、読者に向けて前向きなメッセージを発信するのも役割のひとつかなぁ、と思った。もちろん、偽りの前向きさは矜持に反するから書きたくない。だけど、それが本心であれば、意図的に前向きな部分を多めに切り取っていきたい(少なくともcakesの連載に関しては)。

だから、その部分が読んだ方を勇気づけられたなら、それはとても嬉しい。

また、「救われた」「気持ちが軽くなった」という言葉で感想を書いてくれた方もいた。「いつも弱ったときに吉玉さんの文章を読んでます」とか。

とても驚いた。

これは本当に謙遜でも卑下でもなく、私は「自分の書いたものが誰かの救いになる」という前提を持っていない。

もちろん、そうなれば本望だ。だけど、「これが読者の救いになるはず!」とはどうしても思えない。たびたび書いているけど、身近な友人が自死しているからかもしれない。友人を救えなかった私が、「会ったこともない読者を救える前提で文章を書く」ことはおこがましいと思う。

そもそも、私自身が1日1回は「助けて……」とひとりごとを言うような状態だ。まずは自分を救うべきだろう。

だから、これからも「よーし、読者を救うぞー!」といった心持ちで文章を書くことはないと思う。

だけど、結果的に読んだ方が「救われた」と思うなら、それはとても嬉しい。もう、飛び上がっちゃうくらいに嬉しい。

別に救われなくても、「小屋ガール通信」が読者の方にとっていい暇つぶしになれば嬉しい。



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