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10年使ってる持ち物

中学時代、優等生で生徒会長の友人がいた。

彼女はいつも、流行にとらわれないシンプルでトラッドな服を着ていた。ラルフローレンやイーストボーイ、バーバリーなど。鞄や小物はアニエスベー。お母さんが選ぶそうだ。

一方私は流行りものが好きで、安い服ばかり着ていた。安い服しか買えないのもあるが、チープでちゃらちゃらした店のほうが好みだったのだ。なので、上質なものを身につけている友人に羨ましさはなかった。むしろ「お母さんが選んだ服で物足りなくないのかなー」と思っていた。

二十歳を過ぎた頃だろうか。地元に帰省して彼女と遊んでいるとき、「ブーツ見たいから」と大丸の靴売り場に連れて行かれた。

彼女が試し履きする靴は、どれも上質で高価だ。

「すごいなぁ。よくそんなにお金出せるね」

感心して言うと、彼女は言った。

「だって私は買ったらずっと使うもの。持ってる数少ないし。10年単位で見たら、たぶんサキのほうが服や靴にお金使ってるよ

インパクトのある言葉だった。当時の私はまだ、長いスパンで考えて買い物をしたことがなかったから。

買い物のコツは、価格を使用年数で割ること

あれから10年以上が経ち、今の私は、彼女の言葉を「実感として」理解している。

若い頃はあまり、使用年数を気にしていなかった。物を買うときも捨てるときも。前述の友人に比べ、買いものセンスが未発達だったと思う。

しかしだんだんと、「これは5年使ったな」「これは1年しかもたなかったな」など、捨てるときに使用年数を数えるようになった。

そうなると、買うときも「これは5年は使えそうだから、年で割ると1年あたり○円だな」などと考えるようになった。価格を使用年数で割ってコスパを導き出すのだ。

もちろん、高ければ長持ちするというわけでもない。流行に左右されがちなものやダメになりやすいものは、ファストファッションで安く買ったほうがコスパがいいこともある。

買い物の失敗や成功のデータが自分の中に蓄積され、そのへんの感覚が磨かれていった。今でもまだ、買いものセンスがいいほうではないけれど。

そんな私が10年以上愛用しているものを紹介しよう。

【グレゴリーのリュック】

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登山用ザックでおなじみ、グレゴリー。これはタウンユース用で17ℓ。プライベートも日帰り登山も、こればかり使っている。1泊旅行もイケる。

使い始めて、たぶん今年で10年目だ。たしか1万7000円で買ったと思うから、1年あたり1700円。でもまだまだ使える。

ショルダーの材質がふわふわなので、どれだけ重い荷物を入れても肩が痛くならないのがいい。まったくほつれたり破れたりもしないし。

ちなみに、汚れたらシャワーで洗い流して陰干しする。今のところ、ひどい汚れはなし。

【無印良品のエコバック】

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広げるとこんなに大容量なのに(サイズ感をあらわすため文庫本を置いた)

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畳むと手のひらサイズ。

たしか2008年に調布パルコで購入。ナイロン製で丈夫で、ポケットに入るのがいい。洗ってもすぐ乾くし。一回の買出し分は、上記のグレゴリーのリュックとこのエコバッグですべて収まる(それ以上買うと冷蔵庫に入らない)。値段は忘れたけれど、たぶん500~1000円の間じゃないかな。

南米を旅していたとき、アルゼンチンはすでにレジ袋が廃止されていて、エコバックが必須だった。スーパーでこのエコバッグを広げると、レジの女の子が目をまん丸にして驚いていた。アルゼンチンのエコバッグはIKEAの青い袋みたいな材質で、畳んでも大きいものばかりだったから。きっと「日本人はいちいちそんなに小さく畳むの!?」と思ったろうな。

すごく使い勝手いいからおすすめ……と言いたいところなんだけれど、もう廃盤になったらしい。母が私のエコバッグを使って気に入り、同じものを買いに無印に行ったところ、店員さんから廃盤になったと教えてもらったそう。

ほかにも、10年以上前に買ったものはある。アンゴラのコート、スーツケース、古着のシャツ、ピアス……。

でも、10年間も日常的にヘビーユースしているのはこのふたつだけ。この10年の間、結婚や転職、引越しなど、ライフスタイルの変化によって持ち物も変わった。

今ヘビーユースしてる身の回り品は、10年後も使っているかな。

10年経ったら答えあわせのnoteを書くから、誰か教えてください。「ほら吉玉さん、持ち物についてのnote書くんでしょ」って。

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