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読みたいことと書きたいことの差

まだ読めていないのだけど、田中泰延さんの『読みたいことを、書けばいい。』という本が売れている。

このタイトルを見たとき、真っ先に「読みたい」の主語は「自分」だと思った。

決して「読者が読みたいこと」や「ターゲットが読みたいこと」ではない。

自分が読みたいことを、自分で書けばいい。

田中さんはそう言いたいんだろうな、と思ったし、実際そういう本らしい。


「私が書きたいものはなんだろう?」とはよく考える。人からもよく尋ねられるし。

けれど、「私が読みたいものはなんだろう?」とは、そういえばあまり考えたことがなかった。

私が読みたいものについて考える。

「読みたいもの」と考えると、意外と思いつかない。だから、最近読んで面白かったものを挙げてみようと思う。


最近読んだのは村田沙耶香さんのエッセイ。この人は村田沙耶香の脳を持って生まれた時点で、面白い文章しか書けない人だと思う。


漫画だと、『花野井くんと恋の病』

最初は「あー、ハイスペ男子が平凡な女子を好きになる、ありがちなやつね」と思ったのだけど、違った。花野井くんはただのハイスペではなく、愛が重すぎるヤバい奴だったのだ。私はこの作品にあまりときめきを感じないのだけど、ストーリー展開が面白いのでこの先も読むつもり。


webだと、『minneとものづくりと』のこの連載。

いろんなハンドメイド作家さんの言葉を紹介する、インタビューのようなコラムのような記事。夫がイラストを描かせてもらっている縁で読みはじめたのだけど、すっかり中前結花さんの語り口の虜になってしまった。

実は、私の姉はハンドメイド作家だ。姉を見ているから、ハンドメイド作家の世界は馴染みが深い。文章もハンドメイドも創作なので、没頭する(ゾーンに入る)ときの感じも、創作時の孤独も似ている。「創作する人の言葉」は、物書きである私にも響くのだ。


あと、オモコロ。

メンタルが弱ってるときでも安心して読める。むしろ最近のWebは(私が書くものも含め)問題提起が多くて、弱ってるときはオモコロしか読めない。


うん、私の読みたいものはわかった。

けれど、これらは私の書きたいものか?

……と自問すると、やっぱり違う。書けないし、書こうと思わない。

読みたいことを、書きたいと思えない。なぜだ。

考えるほどに混乱し、なんとも悩ましいのだった。

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