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釧路市の中小企業テレワークは進まない?ワーケーションの受け入れは・・・?

釧路企業紹介マガジン『はたらくしろう』

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昨年、釧路商工会議所青年部の委員長として、釧路市の企業紹介マガジンの『はたらくしろう』をたくさんの方のお力を借りて作成し、釧路市の高校生4500人全員に配布した。昨年はどこの企業も人手不足で、いかに企業を知ってもらい、興味を示してもらい、仕事の内容や企業を深く知ってもらうか?とい事が課題であった。

そのためには、賃金条件だけではなく、企業の理念やビジョン、仕事を通して、どう地域に貢献するか?などなどを、冊子に掲載し、高校生だけではなく、親御さんや先生との会話に、そして、小中高生のキャリア教育にも使用してもらい、釧路の企業を知ってもらうことが大切だと考えた。結果120社の企業から掲載協力も頂いたし、釧路の産業の歴史を掲載したり、座談会なども行ったりして、企業を知り、地域も深く知ることの出来る冊子としても利用してもらった。

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それは、一つの成果として様々な効果があったが、コロナの影響により、一気に人手不足から、人余りになってしまった。

10月6日北海道新聞の記事では、「厚生労働省は6日、新型コロナウイルス感染拡大に関連する解雇や雇い止めが、見込みも含めて2日時点で6万3347人になったと発表した。」

とあり、企業の経営規模を縮小し、人の採用を抑える企業が多く出ている。

働く意識が変わった

コロナ禍の中、働く人の意識も変わった気がする。今までの人手不足の中では、働く側も、『働いてやっているのに、なんでこんな事言われなきゃいけないんだ』というような意識の人も居たように感じるが、コロナで上記記事のような雇い止めや解雇などが多くの企業で起こったり、ボーナスカットなどを間近で聞く機会に遭遇したりすることで、「通常にサラリーとして給与を貰えるありがたさ」や「ボーナスを貰える感謝」を実際に口に出す人も多くなっていると実感している。

経営者もコロナの中でも働いてくれている感謝を口に出すことで、今まで少し労使見解がバラバラだったところを、修復し、経営者と社員・パートが「企業理念をもって、地域社会を良くする」という本来の目的に向かって、一致団結して進む良い機会なのかもしれない。

新聞販売店のテレワーク

話は、タイトルに戻るが、この状況でテレワークを推奨した企業も多くあった。特に東京は顕著だったが、釧路ではテレワークというより、自宅待機が多かったように感じる。私の本業は新聞販売店で、コロナ禍において、新聞を楽しみにしていた方も多く、特に高齢者の情報インフラとして、新聞配達は、休むわけにもいかない。配達員さんは、日々新聞を配達していたので、当然テレワークできない。新聞販売店でテレワーク出来るのは、経営者の私か、管理や営業の社員くらいだ。当社でも早くから属人化を避けるためにDXを行ってきて、kintoneやOnedriveを利用すると、テレワークは可能だが、なかなか進める事は出来なかった。

はやり、一番の大きな壁は、働いている人同士の不公平感だった。あの人は、できるのに、私は出来ない。通勤手当は?サボっていないか誰が見る?というような不満が出てきてしまう。当然、変わることへの恐怖心もあると思う。我々のような中小企業がテレワークを行うには、企業理念をしっかり浸透させて、その理念を基に、それぞれの課のミッション、個人のミッションが明確になっている事。評価制度でしっかり公平公正な評価が給与に反映されていること。そして、お互いの情報を適正に共有しながら、尊敬しあうこと。それが出来なければ、カタチだけのテレワークになってしまいそうだ。

釧路のテレワーク・ワーケーション

釧路市のような地方都市では、通勤のストレスも少なく、全国展開している企業も少ないため、テレワークをしても、相手方の企業が理解を示してくれなかったり、やはり、そもそも上記理念・ビジョン・ミッション・情報共有の課題が先決になってくるので、なかなか進んでいかないのが現状だと思う。しかし、そういった事を面倒くさがって、イノベーションを起こさず、楽な方向に流れると、結果として、顧客は面白くて、便利で快適な大手企業が提供するサービスを選び、地方の企業や商店は、大差を付けられて、閉店・倒産が増えるという悪循環が起きてしまうのではないかと考える。

ワーケーションとは?

話は飛躍するが、先日、阿寒湖畔の某ホテルより、ワーケーションのモデル依頼を受けた。

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テレワークではなく、ワーケーションだ。日本ワーケーション協会によると、

Workcationは、「Work(仕事)」と「Vacation(休暇)」を組み合わせた造語で、
「リゾート地や地方等の普段の職場とは異なる場所で働きながら休暇取得等を行う仕組み」です。
「個人が主体的に選択する、日常的な仕事(ワーク)に、非日常的な休暇(バケーション)の感覚を埋め込んだ柔軟な働き方」であり、
「新たな働き方」(ワークスタイル)として注目されています。

ワーケーションの期待される効果として

①導入する企業にとって
・働き方改革への対応
・休暇取得、福利厚生の向上
・自由度の高い働き方を社員に提唱
・環境を変えることで、クリエイティブな発想が生まれやすくなる 等
②利用する社員、個人にとって
・自律的で自由度の高い働き方の実現
・日常の組織から離れた越境的な学習
・複業、副業、趣味の活動もしやすい
・働き方の選択肢が増える
・環境を変えることで、クリエイティブな発想が生まれやすくなる 等
③受け入れ側の地域にとって
・交流人口の増加
・地元経済への還元
・長期滞在者の増加
・テレワーク環境の整備、推進
・将来的な移住、企業移転の足がかり
・地域のブランディング 等
④事業者にとって
・新たなマーケットへの需要創出
・長期滞在者の増加
・新たなビジネスの創出
・事業者自身のブランディング 等
これらを通して、社会問題への取り組みや新たなビジネスへのインパクト、
働き方が変わることにより、健康促進、家族関係の向上なども期待されており、ただ単に観光産業の新たな需要創出だけでなく、それ以上の効果が期待されています。

とあった。実際にモデルをして、感じたことは、阿寒湖温泉という行きなれた場所だった事もあったが、私個人としては、バケーションはバケーションとして楽しみたい。だって、そこのホテルはいつも非現実のラグジュアリーに私をいざなってくれて、アイディアの源泉になっているからだ。

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釧路市でワーケーションを成功させるには?

最後に、ワーケーションを地方都市で成功に終わらせるためには・・・。導入する企業として心がける事は、上記にあるワーケーションの期待される効果としての①②をしっかり社員に理解してもらう事は大前提として、それを希望する人がしっかりと行く事ができて、他の社員も快くその人を見送れる環境作りが必要と思う。また、せっかく、違う土地でバケーションをするのに、いつものルーティーンの仕事ばかりじゃ、つまらない。

やはり、バケーションの受け入れ側地方都市が、にある整備や効果だけではなく、地域の交流や学び、地域課題解決への貢献などが、必要になる気がする。利用者は、ホテルやその周辺で仕事として、クリエイティブなアイディアをカタチにし、その後はバケーション。そして、1日だけでも、プログラムとして、地元の企業との交流を通して、社員同士の交流やその地域の産業を学び、お互いが自社の課題や地域課題に気づき、より良い地域や社会になるために、連携などをして、解決の道を探る。こういった、ワーケーションが実現すると、地方都市にとっても、かなりありがたいし、そうなることを切に願いたい。

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