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退職、そして開業

 2013年3月、私はそれまで20年以上携わっていた早稲田アカデミーの大学受験部門(=集団授業)から個別指導部門に移動となった。「出世コースから外れたなあ」などということを考えながらも「早稲田アカデミー個別進学館池袋東口校」校長として日々個別指導に関する知見を増やしていった。

 そんな中で、ある日「これは独立して、自分で個別指導の塾を開いたら、ひょっとしてものすごく儲かるのではないか?」というアイディアというか確信を持つようになった。もちろん早稲田アカデミーという会社には自分を育ててもらった恩義を感じていたが、一方で自分が文字通り0から作り上げた早稲田アカデミーの大学受験部門も自分がいなくても十分に回っているようだし、このまま個別指導部門で働いていても劇的に収入が上がることはないのではないかという考えもあった。

 当時の私の年収は700万円弱がベース。そこに合格実績や集客によって業績評価による賞与が(業績が好調であれば)上乗せされていくような仕組みになっていた。大学受験部門にいたときは基本年俸+業績評価の賞与の合計で最高1200万円くらい年収があった時もあった。要するに個別指導部門に移動して年収が大幅に下がったのである。早稲アカ時代の給与システムについてはまたいずれ別の機会に紹介することもあるかもしれないが、早稲アカは難関校の合格実績に注力している塾なので合格実績とあまり縁がない個別指導部門で大きく収入を増やすのは仕組み上難しかったのである。

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