鼻糞が僕を救った話。(グリム童話より抜粋)
今日は雨だった。ジメジメとした空気がからだにまとわりつき、不快指数は最高潮だ。ボクは誰もいない廊下を一人歩いていた。今日は大切な会議があり、初めてこの大きなビルにきていた。
初めてのビルに緊張しながらも、前後を眺めた。
人の気配はなかった。
私は大きく振りかぶり、人差し指で鼻をほじる。その整えた爪はまるでオーダーメイドのスーツのようだ。僕はこれまで何度となくこの人差し指で鼻をほじってきた。
とれた鼻糞は、きれいに爪にひっついている。今日は湿度が高いからか、それは美しく