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オフィス機能の充実より分散に投資しよう

当社東京オフィスは渋谷区にあります。そう言うと今風のITベンチャーっぽく聞こえるかも知れませんが、渋谷の洗練されたイメージとは程遠い雑居ビルです(←大家さんすみません.....)。

創業以来ずっとこの物件にお世話になっています。およそ築半世紀、鉄筋の頑丈なしつらえではありますが、窓はガタピシ、入り口は昼も薄暗く、数年前にペンキを塗り直したとは言え(←大家さんありがとうございました.....!!)、古さが隠せません。

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でも、それを補って余りあるメリットが、多数あります。なかでも駅から超絶近いのは、圧倒的利点。JR山手線・総武線代々木駅でて徒歩"10秒"、ほんの数歩で着きます。どんなに素敵で機能充実したオフィスでも、駅を出て延々と歩いたりエレベータを待ったりするのは、時間の無駄。それが自分だけでなく働く人全員分ですから、トータルしたらとんでもない時間のロスになります。だから、台湾法人のオフィスも、MRT板南線・忠孝敦化駅でてスグの場所に拠点を移しました。

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↑台北の「東区」という繁華街に位置し、陽光差し込む台北オフィス。なんかめっちゃ撮られてますねw

ただ、コロナを契機に、オフィスの場所は別に代々木や忠孝敦化など、便利な場所でなくても良いんじゃないかと考えてます。ここ2年、週5日フルタイム出社の非合理さに気付かされました。毎日出社しないんだから、もっと辺鄙な駅でよいかも知れません。

実は去年、最初の緊急事態宣言発出のタイミングで、オフィスを縮小しました。それまで入居していたビルの4〜5Fのうち、4Fの一番広い部屋を解約し、5Fのみにしました。それから1年間、ほぼフルリモートの時期があったり、全員出社することはなくなったので何の問題もなかったのですが、ここに来て「週5フルタイム全員出社は必要ないがやっぱりたまには全員顔を合わせる事は必要」と、考えを改めつつあります。当社は外国人社員の比率がほぼ半分、国籍もバラバラです。日本人・男性だけの会社なら、ある程度阿吽の呼吸もできるでしょうが、そだった文化や風習が全く異なるので、相互理解のためにはリアルの交流が不可欠です。フルタイムもしないけどフルリモートもしない、ちょうどバランスが良い「中庸」を模索し、常に調整していきます。

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↑オフィスの壁に貼られたサントリーのステッカー。良いこと言うぜ。

さて、そうなると、狭い。オフィスのスペースは半分にしたものの、人員はそのままなので、当然のことです。より広い場所にお引越し.....という考えも念頭にありましたが、やめました。もうオフィスには投資しないと。

職種にもよりますし、費用負担どうするの問題はありますが、各社員が好きな地方に住んで、週1〜2回は東京に来て出社、とかも有りなんじゃないかと思っています。どんどん変えていきたいです。脱・平成。オフィスをオシャレにしたり機能充実させるのにお金を使うより、機能を分散させる事に投資したほうが、令和の時代にマッチします。このご時世にピカピカの新社屋に移転するとか、オフィスの内装をやたらオシャレするくらいなら、他にもっと投資するところがあるはず。「いやオフィスがオシャレだと採用に有利だから、これも投資!」とも言いますけど、オフィスがオシャレだからと言う理由で入社してくる人なんて、たいてい大した働きしないと思いますw

インターネットが普及するまでは、国際電話が1分何百円だったように、情報のやりとりが非常に高コストでした。だから働く人々は都市に集中した方が効率がよかったわけですが、今やデジタル全盛の時代、情報のやりとりはタダ同然。地方のほうが効率が良さそうです。いっぽうでデジタルな世界が普及するほど、人はアナログな繋がりや温もりを求める。そのヒントは地方にこそあります。

しかしながら、アメリカでもいまだにIT系のスタートアップがシリコンバレーに集中するように、優秀な人材を採用したり人脈を広げたり、オンラインにはない情報を獲得するには、日本では東京、台湾では台北が最適。ずっと地方にいるのも機会損失がありますから、やはり都会と地方の最適バランス、いわゆる「中庸」が大事です。東京と台北という大都市に拠点を構え刃や9年。社員により長く、より快適に、より創造的な仕事をしてもらうために、今後はオフィスの機能充実に投資するより、機能分散への投資に注力したいところです。

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