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「勉強時間があれば目標を達成できる」という幻想

 「1週間に10時間英語勉強を目標にしている」と仰っている方がいらしたが、「10時間英語勉強を達成出来れば何を達成したいのですか?」と逆に聞いたら、戸惑わたのです。
 勉強時間に固執する時間は全くないのです。

勉強して何を達成したいのかの方が重要

 もし具体的な目標がないまま漠然と学習しているだけでは、英語を話せるようになりたいというただの願望でしかありません。

 「週に10時間勉強」した先は、何ができるようになると嬉しいのでしょうか。

 貴方はどうなりたいのか?そのなりたい姿をイメージすれば、そこに至るために何を勉強するのか、最適の勉強法が見えてくるはずです。

 語学に限らず、何かを勉強する場合はターゲット、すなわち「目的」と「目標」を詳細に決めて、「どうなりたいのか」を明確にイメージしましょう。

 たったそれだけで、勉強の効果は何倍もアップし勉強の効果が最大限で現れます。

目標例 外国人と日常会話が出来るようになる

 大目標: 外国人と日常会話が出来るようになる

 現在のレベル:リスニングは、相手がゆっくり簡単な英語で話してくれれば理解はできる。スピーキングは、あまり文法は意識せずに単語を並べている状態。

 中目標:文法理解とボキャブラリーを強化し、基礎力をつける。

 小目標:文法は中学校レベルのものを一通り(1日1時間)、ボキャブラリーはレベルに合った単語帳をやり(1日30分-1時間)、高校入試レベルの英語長文がスラスラ読めるようにする。

 と設定して、1日1-2時間行えば、「10時間の英語の勉強」がより明確に行うことが出来ます。

勉強時間に固執するな

 受験の目的は、点を取ることです。それ以外は手段に過ぎません。

 しかし、この目的は「勉強時間」という分かりやすい尺度に置き換えられてしまいます。

 たしかに勉強時間は、自分の勉強量をわかりやすく見せてくれる。「今日は12時間も自習室にいた」と満足しやすいし、周りの人に伝えやすく、褒めたり、発破をかけたりする際の指標としても便利です。

勉強時間によって勉強の質を評価することはない

 しかし、勉強時間によって勉強の質を評価することは出来ないのです。

 勉強の質は、「自分自身による客観的な分析」によって評価されるべきです。

 その際、勉強時間を「成果を比較するための条件」として考えてみましょう。

 「昨日と同じく10時間勉強したのに、昨日のほうが成果が出た気がする」と気づくことができれば、この2つの日の成果の違いが何によって生まれたものなのか分析が出来ます。

 集中の度合いなのか、こなした課題のやりやすさなのか、体調なのか気分のせいなのか。1日たりとも同じ日はないのです。

 原因を分析することに、より成果の上がる勉強のやり方を学べるでしょう。

「勉強で大事なのは量ですか?質ですか?」

 作者はいつも「どちらでもない」と答えます。

 勉強の質と量は対立する概念ではなく、併存する概念であると思います。

【参考】伊沢 拓司(2019). 『勉強大全 ひとりひとりにフィットする1からの勉強法』 (Kindle の位置No.848-852). 株式会社KADOKAWA. Kindle 版.

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