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それでも私は結婚したい

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真剣交際から成婚へ

 実は須田さんと同時並行で「仮交際」に進んでいる女性がいた。
 別の結婚相談所に所属している1つ年上の女性で東京大学出身の安田さん。
 頭が良くて、気が利いて、一緒にいるととても楽しい。
 須田さんの時のような恋心はありませんでしたが、徐々に『彼女とうまくいきたい』という気持ちが強くなった。
 一流企業に勤めていて両親の職業も父親が三菱商事で、母親が製薬会社のメーカーで勤めていた。
 鈴木さんはそこそこの大学出身ですが、取引先にも東大出身の人はたくさんいるので、あまり気にしなかった。

「真剣交際」を申し込む

 仮交際をスタートして2カ月を過ぎた頃、鈴木さんは彼女に「真剣交際」を申し込む。
 「真剣交際」とは、同時に3人まで交際できる「仮交際」の状態から進み、成婚に向けて1対1で条件や気持ちを擦り合わせていく期間を指す。
 しかし、彼女からは「もう少し様子を見たい」と保留される。
 そして遂にコンタクトレンズにし、最初結婚相談所に入った鈴木さんとは違う、「イケメン」が爆誕していた。

実家を出て都内で一人暮らしを始めた

 彼女の返事を待ちつつ、鈴木さんは母親と暮らす実家を出て都内で一人暮らしを始めた。
 日々の生活に必要な費用や、仕事終わりの家事の大変さを身をもって知った鈴木さんは「生活感」を身に付けていった。 

食事も毎回作って写真を毎日送っていた

 食事も毎回作って「今日はアボカドまぐろ丼と味噌汁です~美味しそうでしょう」というラインと共に食事の写真を安田さんに毎日送っていた。
 家事力が足りないと見られている鈴木さんの懇親のアピールである。
 「この程度のことで彼女の偏見がなくなるであれば、何でもやる。」
 食事も毎回作って写真を毎日送るくらい、鈴木さんにとって大した負担ではなかった。

鈴木さんは初めて辿り着いた「真剣交際」にとても喜んだ

 安田さんは 新居に遊びに来て、鈴木さんの頑張りを目にした彼女は、仮交際4カ月目にして「真剣交際」を承諾した。
 鈴木さんは初めて辿り着いた「真剣交際」にとても喜んだ。
 ところが、彼女の実家に挨拶に行こうとしたところ、先方の相談所から「彼女の気持ちは、まだその段階ではない」と言われてしまう。
 相談所連盟には、仮交際のスタートから最長で6カ月までしか交際できないというルールがある。

「それでも私は結婚したい」

 結局、規定の交際期限を前に、彼女からは「交際終了」の連絡が来た。
 彼女と両親が「学歴の差」で反対していることなどが理由だった。
 鈴木さんは、結果を静かに受け止めた。
 「なんとなく、こうなることは分かっていた。
 私には闘えるだけの武器がなかった。収入も将来性も、家事スキルもコミュニケーション能力も……」
 でも、「それでも私は結婚したい」。

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